ページの本文へ

ロジスティード

従業員とともに

従業員とともに

当社グループは、多様な人財が活躍する企業をめざしてさまざまな取り組みを行っています。

人権の尊重

ロジスティードグループでは、「人権を尊重した責任あるサプライチェーンの構築」をマテリアリティのひとつに掲げ、人権方針の制定やバリューチェーン上の人権リスクの評価など、人権を尊重したビジネス基盤の構築に向けた取り組みを行っています。

ロジスティードグループの人権方針

ロジスティードグループは、経営理念「広く未来をみつめ 人と自然を大切にし 良質なサービスを通じて 豊かな社会づくりに貢献する」という考えのもと、「国連の"ビジネスと人権に関する指導原則"」、「OECD 多国籍企業行動指針」、「国連グローバル・コンパクト」、「国際労働機関(ILO) 労働における基本的原則及び権利に関する宣言」および「世界人権宣言」を踏まえ、2023年4月に人権方針を制定しました。本方針の制定にあたっては、人権に関する外部専門機関からのご助言も反映のうえ、執行役員会議で審議し承認を得ています。
当社グループは、本方針を人権に関する最上位の方針として位置づけ、人権に関連する取り組みを継続的に推進します。

また、当社グループでは、人権尊重へのさらなる理解を深めるため、「人権の尊重」を基本的な行動方針に盛り込んだ「グループ行動規範」をマニュアルとして活用しているほか、eラーニングによる従業員教育や新入社員、経験者採用社員、新任係長・新任管理職向け階層別研修などを実施しています。2022年度は、当社と当社グループ(国内)の正社員453名(うち、管理職18%)が階層別教育等への参加を通じて人権に関するテーマが含まれる教育を受講しました。
さらに、毎年10月の「グループ行動規範月間」には、社長からのメッセ―ジとして「人権の尊重とコンプライアンス遵守」を発信するとともに、人権に関する内容も織り込んだケーススタディの活用よる職場内コンプライアンス教育を当社および当社グループ(国内)で実施しています。2022年度の職場内教育参加者数の報告での集計結果は、22,547名でした。

人権を尊重したビジネスの基盤構築に向けた取り組み

当社グループでは、第三者機関による人権影響評価を実施し、リスクや課題を把握した上で、人権を尊重したビジネスの基盤構築に向けた各種施策に取り組んでいます。
人権影響評価とその対応に向けての具体的なステップは、下記の通りです。

Step1:物流業界のグローバルデスクトップリサーチの実施
2022年度より、人権問題に見識のある一般社団法人The Global Alliance for Sustainable Supply ChainおよびRightsDD Ltd. のサポートを得ながら、これまでの当社の取り組みの総括や物流業界全体に対してのグローバルデスクトップリサーチを実施し、全業界共通および物流業界で重要なグローバル人権課題について整理しました。

Step2:日本での優先度が高いリスク「外国人技能実習制度の下での強制労働」の実態調査
Step1での整理の結果を踏まえて、日本において優先度の高いリスクとして特定された「外国人技能実習制度の下での強制労働」について、技能実習生を最も多く採用している日本国内のグループ会社に対して強制労働に関する実態調査を実施しました。実習現場調査や技能実習生、技能実習生の監理団体へのヒアリング等を踏まえた調査の結果、調査対象のグループ会社の管理が適切であることが確認できました。

Step3:グループ各社へのデスクトップリサーチと、その結果に基づくSAQの実施
次に、国内外の連結子会社を対象として81社(2023年4月時点)に対して、「デスクトップリサーチ実施率」を2023年度のKPIとし、地理、製品、産業、雇用形態、法規制の5つの観点からリスク評価を行いました(実施率:100%)。そのうち、地理、製品の観点を特に重視しつつ、総合的にハイリスクとされた27社(33%)について個別のSAQを実施し、その結果に基づき、それぞれ抱えるリスクや課題に合わせた施策に真摯に取り組んでいきます。
※SAQ:Self-Assessment Questionnaire(セルフチェックリスト)

・グループ各社へのデスクトップリサーチの結果

国内グループ海外グループ当社グループ全体
会社数割合会社数割合会社数割合
ハイリスク 0社 0% 27社 44% 27社 33%
ローリスク 20社 100% 34社 56% 54社 67%
総計 20社 100% 61社 100% 81社 100%

引き続き、監理団体と連携し適切な実習および業務環境の維持・向上に努め、今後は、人権デューデリジェンス推進体制の構築および、「人権を尊重した責任あるサプライチェーンの構築」のための基盤強化に向けた施策に取り組んでいきます。

Myじんけん宣言

当社グループは、2023年4月の「ロジスティードグループ人権方針」の制定に伴い、2021年7月に行った「Myじんけん宣言」の内容の一部を更新しました。
「Myじんけん宣言」とは、法務省が主管する「Myじんけん宣言」プロジェクトに参画した、企業、団体および個人が、人権を尊重する行動をとることを宣言することによって、誰もが人権を尊重し合う社会の実現をめざす取り組みです。当社グループでは、「ロジスティードグループ人権方針」を人権に関する当社グループの最上位の方針とし、2016年に制定した「グループ行動規範」の基本となる行動指針のなかで掲げている「人権の尊重」の前提に位置付けています。今回の「Myじんけん宣言」の更新をきっかけとし、その主旨のもと人権の尊重と人権を尊重したビジネスへのさらなる理解を深めていきます。

ハラスメント防止への取り組み

私たちは、職場や学校などでのさまざまな場でハラスメントが増加し、社会問題となっていることを認識しています。当社グループでは、「ハラスメントとは何か」ということについての理解を促進するため、国内の各事業所にハラスメント防止の啓発ポスターを掲示しました。また、ハラスメントに関する相談窓口を設置し従業員からの相談に対応するなどハラスメントのない職場づくりを推進しています。2021年度においては、国内グループの全管理職を対象にハラスメント防止についての動画教育を実施し、企業での発生増加が問題となっているハラスメントの対策強化に努めました。

ダイバーシティの推進

当社グループは「性別」「人種」「宗教」「年齢」「障がい」「性的・宗教的・政治的指向」「国籍」「社会的・文化的背景」など価値観やバックグラウンドが異なる人財が、それぞれの持てる力を十分に発揮できる組織をめざしています。将来の予測が困難な社会、そこにおける付加価値創造について、多様な人財が一層活躍し、社会への貢献を通じた会社の成長を実現すべく、ダイバーシティ&インクルージョン経営を推進していきます。

多様性・人権・ハラスメント教育の受講状況(一部抜粋)

当社グループでは、人権、ハラスメント、多様性に関する意識向上のため、従業員全員が必ず年に1回は人権に関する教育を受講することを目標に、反復した教育機会を提供しています。階層別教育や行動規範月間に加え、年度毎の重点テーマに絞り込んだ教育施策を継続実施することにより目標を達成しています。

・多様性・人権・ハラスメント教育別受講者数(名)

区分研修名多様性人権ハラスメント2021年度2022年度
階層別教育新入社員研修177199
新任係長研修160170
新任課長研修137101
その他教育グループ行動規範月間22,68922,547
ハラスメント研修11,7423,977
実践ダイバーシティ 基礎編08,964
女性社員向けキャリア開発研修4676
ロジスティード女性社員向けリーダシップ研修2026
実践ダイバーシティ・マネジメント01,734
女性社員上長向け研修5143

対象範囲:当社、国内グループ

※行動規範月間:毎年10月を「グループ行動規範月間」と定め、トップの率先垂範によりグループ全体で企業倫理の確立および法令等遵守の徹底に取り組んでいる。

労働における基本的原則および権利の尊重・促進・実現に向けた取り組みの状況

労使間の対話

当社グループでは、結社の自由・団結権・団体交渉権を労働者の権利として尊重しており、「グループ行動規範」において、従業員の結社の自由や団体交渉権の行使を妨げることを、「禁止される行動事例」として明確にしています。
また、当社においては、経営上の重要事項に関する労働組合への説明や、福利厚生や賃金などについての労使での議論の場として労使協議会を設置し定期的に開催する等、労使間で対話を重ね、労働環境の改善を図っています。

   労働組合加入率   
当社54.9%
国内グループ94.0%

※従業員組織(社員会)を含む

賃金について

当社グループでは、「グループ行動規範」において、各国・各地域の法令に定める最低賃金の保証、労働時間制限、同一労働・同一賃金を遵守するよう定め、適切な労働条件の確保に努めています。
また、すべての従業員は定められたルールに則り、個人毎の評価に基づいて公正かつ適正に処遇され、賃金の水準は「役割」「能力」「個人が達成した成果」、および労使で協定した内容を反映して決定しています。

個人毎の評価を受けた従業員の割合
当社100%
国内グループ100%

人財力の強化

ロジスティードグループは、経営戦略に応じた人財の確保と育成・能力開発や人事制度基盤の構築などにより、人財力の強化を図っています。

人財の確保・定着

中期的にめざす姿である「LOGISTEED2030」に向けて、DX人財およびグローバル人財の積極的な確保と、その早期定着のための各種施策を推進しています。

事業戦略に沿った人財の確保

DX人財の確保

ダイレクトリクルーティングを活用した採用のほか、これまで物流業界との関わりが少なかった方々に興味をもってもらうために、インターンシップや社員との座談会などの開催を通じて、物流DXに触れていただく機会を設けています。
2022年度は、インターンシップを5回、座談会を7回開催しそれぞれ学生133名、35名が参加しました。

グローバル人財の確保

実践的な語学力に加え、各国・地域の文化やビジネス環境を理解し、海外事業の強化、拡大に向け、今後のグローバル化を共に進めていける人財の確保に力を入れています。また、新卒採用では外国籍社員を積極的に採用し、周囲の社員の異文化理解、グローバル化にも努めています。2020年度から2022年度は、国内外のコロナ政策等の影響により採用活動が停滞しましたが、今後も状況を把握しながら、採用を継続していきます。

・新卒採用社員における外国籍社員の割合

新卒採用社員における外国籍社員の割合 2020年度 2021年度 2022年度
0% 11% 8%

対象範囲:当社

人財の早期定着

オンボーディングプログラム

若手社員や経験者採用者を対象に、LOGISTEED WAYの理解浸透、安全、法令遵守などの研修を実施しています。

若手社員定着化への取り組み

キャリアの「わたくしごと化」を目的とした研修を実施しています。2022年度は、管理職向けおよび若手従業員向けの階層別研修でのキャリア研修を実施し、328名が受講しました。また、メンター制度では、配属部署の上司だけでなく、指導・相談役となる先輩社員が若手社員のキャリア形成のサポートを行っています。若手社員が、多様な職務を経験したメンターとの対話を通じ、当社グループでのキャリアに関する視野を広げ、理解を深める機会としています。

サーベイやキャリア面談の実施

若手社員を対象に、配属されている組織に対する参画意識や生産性に関する改善意識などを測るサーベイを実施し、その結果を用いて上長向けにマネジメントに関するアドバイスの提供を行っています。またメンター制度の導入や定期的なキャリア面談の実施により、人財定着率の向上を図っています。

人財育成・能力開発

ロジスティードグループでは、従業員一人ひとりの主体的な能力開発支援に取り組んでいます。役職や主要ポジションごとに求められるスキルを整理し、階層別教育のほか、物流拠点マネジメントやロジスティクステクノロジーなどの専門教育を体系的に整備し、従業員の成長ステップに応じた教育機会を提供しています。また定期的なスキル調査により、個々人のあるべき姿とのギャップを見える化し、それぞれの育成テーマに応じた教育プログラムを受講できる環境を整備しています。さらに、管理職を対象とした育成マネジメント支援プログラムを提供し、職場内における能力開発環境のレベル向上に取り組んでいます。

ロジスティードグループ教育体系

グループ共通の教育体系を策定し、全従業員を対象に実践的かつ専門的な研修を実施しています。階層別研修、現場力強化研修、管理職研修といった研修に加え、全従業員の基礎力向上・コミュニケーションの促進を目的とした「全員研修」や、3PL事業を担う中核人財を育成する研修を独自に開発し、さらなる事業基盤強化を見据えた人財育成を行っています。2022年度からは、当社の主力事業で必要となる専門知識の早期習得を目的とした従来の教育に加え、中期経営計画「LOGISTEED2024」の実現に必要な重点テーマとして、DX人財やグローバル人財などの育成施策をも行っています。

自律的キャリア形成に向けた研修

社員の自律的キャリア形成を促進するため、2019年度より階層別教育を中心に「キャリア研修」を実施しています。また、キャリア支援のための「スキル研修」を汎用的なビジネススキルと事業固有の専門スキルを付与する教育プログラムに分けて展開しています。(2022年度の「スキル研修」の受講率:227.6%/対象は国内グループ社員11,573名)

・教育プログラムの受講状況

キャリア研修(2019年度~2022年度累計)受講者数
階層別教育入社4年目研修344名
係長職研修85名
課長職研修41名
その他の教育配属先上司向け研修288名
女性社員向けキャリア開発研修122名
オンライン講座229名
合計1,099名
スキル研修(2022年度)延べ受講者数
専門スキル6,836名
ビジネススキル19,502名
合計26,338名

対象範囲:当社、国内グループ

DX人財の育成

ITを活用した新たな事業の創造を担うDX人財の確保のため、従来の教育体系に加え、DX教育の充実化を図っています。具体的には、DXについての基礎知識を学ぶ「DXマインドセット研修」をeラーニングで全従業員向けに実施している他、変革(X)を促す「変革マインド醸成研修」や、DX実践力の強化を目的とした「DX技術スキル強化研修」等の専門教育も行っています。

・DX人財育成に向けた教育の受講者数
リテラシー強化の実施(全員研修)2022年度
  DXマインドセット研修    8,122名
DX人財育成研修の実施(修了者)2022年度(累計)
  DX事業推進人財強化     延べ395名
  DX技術スキル強化      延べ408名
  X(変革)マインド醸成プログラム延べ2,424名

対象範囲:当社、国内グループ

グローバル人財の育成

グローバルコミュニケーション教育、海外業務研修制度などのプログラムにより、グローバルな志向と高い専門性を有し、文化や価値観の違いを超えビジネスに貢献する人財の育成を行っています。

・海外業務研修制度

海外業務研修制度

若手従業員への海外経験の機会の提供、グローバル人財としての育成を目的に、1989年より海外業務研修制度を実施しています。 「グローバルサプライチェーンにおいて最も選ばれるソューションプロバイダ」を経営ビジョンとする当社グループにとって、グローバルな思考と高い専門性を有し、文化や価値観の違いを超えビジネスに貢献する人財の育成が不可欠です。

1年間の研修を終えた研修生は、各人が取り組んだテーマにおいて直面した課題、実施した改善提案とその成果、現地での経験に基づく会社への提言、今後の行動目標などを英語で報告するほか、研修生同士で意見交換も行います。直近5年間で、海外業務研修制度により若手従業員が派遣された国や地域は、17にのぼります。

若手従業員の海外業務研修制度への派遣人数
(2022年度)
7名
若手従業員の海外業務研修制度の派遣先
(2018年度から2022年度)
17ヵ国/地域

対象範囲:当社、国内グループ

・海外赴任者の育成

各国・地域の従業員の多様な価値観を理解しながら彼らを巻き込みグローバルワイドでビジネスをリードできる「グローバル人財」の育成を目的として、社内に「グローバル学部」を設置しています。「グローバル学部」では、各階層(係長職、課長職、部長職)に合わせた海外赴任者育成プログラムを設け、海外現地法人のマネジメントレベルも含む各ポジションで活躍できる人財の育成を図っています。

海外現地法人代表者クラス赴任者数
(2022年度)
22名

※当社および一部の国内グループ会社からの赴任

・グローバルマインドの醸成に向けた取り組み

従業員のグローバルマインドの醸成に向けては、「グローバル学部」設置のほか、英語能力試験の受験費用の補助や「読む・聞く・書く」を含めた英語による実践的なコミュニケーション能力を養う自主参加型プログラムの提供など、自発的な行動を促す制度や機会を設けています。

グローバル人財育成を目的とした教育の投資時間
(2022年度)
6,669.5時間

対象範囲:当社、国内グループ

自己啓発制度

従業員の期待や役割が多様化している中で、主体的なキャリア開発の支援を行っています。職場単位でのキャリアデザインを浸透させることを目的に、上司と部下のコミュニケーション活性化の支援プログラムとしてキャリアデザイン研修の実施を推進しています。また支援環境の一つとして「通信講座」を100プログラム程度を開講し、それぞれの職場で必要とされるユニバーサルスキルをリアルタイムで習得できる環境を提供しています。さらに、ロジスティードでは2022年度に、スキル調査の結果を踏まえた個々人の課題に必要なスキル習得を促すため、社外の公開講座を受講できる仕組みを導入し164名が受講しました。

参考:1人当たり教育費と教育時間(2022年度)

1人当たり教育費(正社員)37,194円
1人当たり教育時間(正社員) 6.0時間
教育時間合計(正社員) 161,644時間

対象範囲:当社、国内グループ会社

人事制度基盤の構築

ロジスティードグループ全体で評価の測定基準の標準化を進めていくなかで、先行して日本国内の管理職を対象に、求められる役割、責任、期待と成果、必要なスキルなどを明確にし、能力・意欲に応じた「適所適財」の配置を行うグループ共通の「人事制度」への転換を進めています。従業員一人ひとりの自律的な役割遂行、挑戦意欲や成長を促すとともに、行動・プロセスと成果を今まで以上に評価や処遇に反映することにより、納得感や達成感を醸成し、グループ全体のより大きな価値創出の実現をめざしていきます。

ジョブ型人事制度の導入

ジョブ型人事制度導入に向け、「適所適財」での柔軟な人財ローテーションが行えるようグループ内で組織設置基準の統一を推進しています。さらに役割を明確化・明文化したポジションプロファイルを作成し、「ポジション」の評価基準に応じた処遇制度への転換を進めています。

国内外グループの人事マネジメントシステムの構築

人財データの蓄積・一元管理が可能な国内/海外グループ共通の「人財見える化プラットフォーム」の構築を進め、ジョブディスクリプションで整理された「ポジション」ごとに期待される人財像に対して、計画的に確保・育成・配置などを行う、人事戦略の実現をめざしています。また、このプラットフォームの活用により、従業員と上長双方でのジョブディスクリプションとのギャップの把握が可能となることから、従業員自らのキャリア設計や上長のサポートを受けながらのスキル向上など、従業員の総戦力化にもつなげていきます。

組織の活性化

働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンなどの取り組みを通じ、従業員エンゲージメントの向上と組織の活性化を図っていきます。

働き方改革

従業員が健康で、安心して、やりがいを持って働き続けることができるよう、各種取り組みを通じた「働き方改革」を推進し、従業員一人ひとりが存分に活躍することで、組織全体の生産性と企業価値の向上をめざしています。

笑顔と活気にあふれる職場づくり(VC活動:Value Change & Creation)

「LOGISTEED WAY」を実践する日々の改善活動として、"会社が成長し続けること"と"従業員がやりがいを持って仕事をすること"を目的とした「VC活動」に取り組んでいます。事業所や部署ごとに従業員がさまざまな職場の課題の解決に向けたテーマでアイデアを出し合い、改善を計画的に実践するというサイクルで改善活動を継続しています。

VC活動

各事業所の改善の取り組みを広く社内で共有するとともに、定期的に発表会を開催して好事例に表彰を行うなど、「改善活動の見える化」と「褒める文化の醸成」により、改善文化の定着を図っています。
人間中心の深い対話を元に、楽しみながら学び、アイデアを創出し、改善を実践するというサイクルで業務を進めることにより、組織力やオペレーション遂行力を強化しています。
そしてこの「VC活動」の積み重ねが、改善文化として当社のビジネスモデルを支える基盤・価値創造の源泉となっているだけでなく、従業員のやりがい醸成とエンゲージメント向上につなげています。

物流OPEXによる対話の促進

物流OPEX

笑顔と活気にあふれる対話を通して、人が定着し、人が集まる人間中心の職場づくりを実践しています。深い対話を通して楽しみながら学習と改善を繰り返すコミュニティ(物流OPEX: Operational Excellence)をデザインし、管理者と作業者が横並びになって体験と知恵を語り合い、褒め合うことで、笑顔と活気にあふれる職場を実現しています。

実際に参加した従業員からは、「管理者と気軽に対話できるようになった」、「職場が明るくなった」、「作業のコツをつかんだ」などの声があがっています。また、各職場において物流OPEXを活用できる人財を育成するため、学びの場として「深い対話講座」を開講しています。2022年度はオンラインでの実施を中心に29回開催し、200名が受講しました。

職場の改善実践者数(OPEX活用人財)
(2022年度累計)
529名

対象範囲:当社、国内グループ会社

対話セッション(デジタル版)

デジタル対話セッション

「職制の壁を越えたコミュニケーションを実践する」ことを目的とした、対話セッションを2019年度から開始しています。
2022年度は、「デジタル対話セッション」を計4回開催し、全国各地から361名(経営幹部40名含む)が参加しました。脱炭素をはじめとする環境や、安全や品質向上の取り組みを主なテーマとして、従業員自身の体験を職制の壁を超えて互いに語り合うことで、活発で笑顔になれる対話がなされました。また、オンラインでの実施により全国の従業員が距離を越えて同時につながることで、業務上のテーマや抱える悩み等を共有し、仲間とのつながりや解決するためのアイディアも得られます。本イベントにて、「深い対話」を通じてアイデアを創出、洗練させるプロセスを学ぶことで、従業員は各職場での日頃の改善活動に役立てています。

アイデア創出ワークショップ

現場で働く従業員の生の声を聞きながら改善アイデアを創出するワークショップを、定期的に開催しています。職場でのムダや非効率と感じていることを共有し、改善アイデアを出し合いながら、職場環境の改善や業務プロセスの改善へとつなげています。
従業員の環境活動マインドのさらなる醸成を図るため、2021年度から開催している環境保全等をテーマとしたワークショップ(グリーンアクションワークショップ)を、2022年度も実施しました。また、デジタルを活用した業務の効率化をテーマとしたワークショップ(スマートワークデザインワークショップ)を新たなプログラムとして展開しました。

グリーンアクションワークショップ
ワークショップの様子1

スマートワークデザインワークショップ
ワークショップの様子2

改善教育

独自に作成した「改善ハンドブック」をもとに、各種改善教育を実施しています。従業員が楽しく学べるよう、漫画形式で作成するなど、さまざまな工夫を行っているほか、IE(Industrial Engineering)などの手法を取り入れた独自の改善教育を実施しています。2022年度は、社内業務のデジタル改善を推進する人財の育成を目的として、デジタル改善アンバサダー教育(リーダー役育成)、デジタル改善パワーユーザー教育(開発者育成)を実施しました。

RPA等デジタルツールの活用

RPA(Robotic Process Automation)等のデジタルツールを駆使した生産性改革を組織横断型の取り組みで進めています。役員会議や社内イントラサイト等の情報共有の場で、RPAをはじめとする各種デジタルツールを活用した業務の自動化や効率化の好事例を共有することにより、トップダウンとボトムアップの両面からデジタルツールの導入を促進しています。また、類似業務の改善事例へのアクセシビリティが高まったことで、部門を超えたコミュニケーションが活性化し、さらなる生産性の向上につながっています。

RPA等デジタルツール導入による業務効率化

業務削減時間
(2022年度までの累積)
46.8万時間

対象範囲:当社、国内グループ、海外グループ

改善好事例の共有

専用システムにて、グループ内の改善好事例の共有や改善施策の進捗管理を実施しています。

VCアワードの実施

「VC活動」の好事例の発表と表彰の場として「VCアワード」を年に1回開催しています。
2022年度は、11月にオンラインによる「VCアワード」を開催しました。新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として大人数での会議が制限される中、本社ビル内のLOGISTEED CAFÉや各地の事業所をオンラインで繋ぎ、当社役員をはじめ、グループ会社従業員を含む900名以上が当日に視聴・参加しました。各社、部署より選考された66件の改善・好事例案件の中から、従業員5,222名の投票による代表4件の活動について、趣向をこらした事例紹介が行われました。

VCアワードの様子1
VCアワードの様子1

VCアワードの様子2
VCアワードの様子2

参考:2022年度 新規改善施策件数

2022年度に発案された当社グループ全体の改善施策数は約16,500件に上りました。

新規改善施策件数の推移

参考:2022年度 主な活動実績

2022年度はコロナ禍によりオンラインの活動を中心に実施しました。下記の他、各グループ会社にてさまざまな活動を実施しています。

活動名実施回数
VCアワード 1
アイデア創出ワークショップ
(うち、グリーンアクションワークショップ)
60(28)
デジタル対話イベント 4
改善教育・改善支援 95
物流OPEX関連活動 58
VC活動 運営会議 48
合計 266

労働時間の適正化

労働時間の適正化に向けて事業活動を行う各国・各地域の現地法の遵守を徹底しています。
日本国内では、労働時間の管理にパソコンのログ管理や生体認証など、客観的記録を用いることで従業員・管理者双方の意識改革を促しているほか、RPA(Robotic Process Automation)等を活用した事務作業のデジタル化等による業務効率化を図っています。物流センターには、自動搬送機や無人フォークリフトなどの省力化設備を積極的にすることで、従業員の過重労働の削減や生産性向上を図っています。また、トラックなどの車両には、IoTを活用したSSCV-Safety(安全運行管理ソリューション)を導入し、運行状況やドライバーの体調・疲労度などをリアルタイムに把握することで事故抑制と効率的な運行を両立させ、ドライバーの安全と労働時間の適正化につなげています。

年次有給休暇の取得促進

有給休暇の取得においても、事業活動を行う各国・各地域の現地法の遵守を徹底しているほか、日本国内では、各事業所向けの手引きを定期的に展開するなど取得率の向上を図っています。

・時間外労働時間、有給休暇取得率

2020年度 2021年度 2022年度
時間外労働時間(時間/月)※1 28.1 27.5 27.3
有給休暇取得日数(日)※2 14.2 15.7 15.9
16.7 16.9 16.8
有給休暇取得率※2 61.0% 67.9% 68.8%
69.8% 70.7% 70.6%

※1 対象範囲 当社(正社員)
※2 対象範囲 上段:国内グループ(正社員)、下段:当社(正社員)

テレワーク勤務の促進

従業員が仕事と生活の調和を図りながら能力を発揮し業務の生産性向上に努めること、災害時にも事業継続性を確保すること、また柔軟な働き方を可能にして育児・介護・病気治療等と仕事の両立を支援することを目的として、テレワーク勤務制度を導入しています。

全国の物流センターや営業所の職場環境整備

全国の物流センターや営業所の空調換気の整備などを進めています。また、休憩室には無線LAN環境を整備し、化粧室の内装を充実させるなど、快適で働きやすい職場環境の整備を進めています。

健康経営の推進について

当社グループは、2022年8月に「健康経営宣言」を発出しました。健康経営に向けて定めた基本方針のもと、体制を整備し、各種施策に取り組んでいきます。

健康経営宣言

職場が活力にあふれ、当社グループが成長し続けるためには、従業員が常に"健康で安心して、やりがいを持って働き続ける"ことが何よりも大切だと考えます。また、質の高い物流サービスを通じて豊かな社会づくりに貢献することは当社グループの使命であり、その土台となるのが、従業員一人ひとりの心身の健康です。
当社グループは、従業員の健康を会社が取り組むべき経営課題の一つとしてとらえ、健康経営の推進体制を整備し、各種施策を推進することを宣言します。

基本方針と主な取り組み

当社グループは、「安全・健康で働きがいのある職場の実現」に向けて、健康経営の考え方に基づいた各種取り組みを実施していきます。
1.従業員の健康維持・向上への支援
保健師などの医療職を含む産業保健スタッフが、健康保険組合とコラボヘルス(役割分担と連携)しながら、健康トピックスの発信(毎月)等によるポピュレーションアプローチ※1や、有所見者向け保健指導等のハイリスクアプローチ※2に取り組んでいます。
2.疾病対策の強化
定期健康診断には眼底検査やがん検診を織り込み、疾病の早期発見・早期治療につなげています。
また、新型コロナウイルス感染拡大防止に向け、国内グループ従業員およびその関係者を対象にワクチンの職域接種を実施し、2021年度は10,190人(1、2回目)、2022年度は6,633人(3、4回目)が接種を受けました。
3.健康相談への対応
産業保健師が、従業員からの健康に関する相談を就業時間内に対面またはオンラインで受け付ているほか、メールでの相談にも随時対応できる体制を整備しています。また、外部サービスを活用しながら、従業員とその家族が健康やメンタルヘルスについて相談できる「こころとからだの相談窓口」を設置し、専門家によるアドバイス等が受けられるようサポートしています。

※1 ポピュレーションアプローチ: 集団全体で危険因子を下げる方法のこと
※2 ハイリスクアプローチ: より高い危険度を有する者に対して、危険を削減することによって疾病を予防する方法のこと

推進体制(2023年4月時点)

健康経営推進体制

従業員の健康増進支援

保健師などの専任スタッフが常駐し、従業員の健康づくりをサポートする「グループ健康管理室」を設置しています。グループ従業員からの持病や体調不良、心身の健康面での不安やセルフケア等に関する相談に対応しているほか、健康な毎日を過ごすためのポイントをわかりやすく紹介し、健康リテラシー向上に役立てる「健康トピックス」をイントラネット上の専用サイトで月に1回配信するなど、衛生管理・健康増進支援策の充実を図り、健康で安心して働ける職場づくりに努めています。

健康診断項目の拡充

当社グループでは、従業員の健康増進のため定期健康診断に法定を上回る以下の項目を盛り込み、従業員の生活習慣病の改善やがんの早期発見、早期治療につなげています。

  • 眼底検査(高血圧、高脂血症、動脈硬化、糖尿病合併症の有無等)
  • 大腸がん検診(便潜血2日法)
  • 前立腺がん検診(PSA検査)
  • 子宮頸がんリスク検診(HPV検査)

労働安全衛生の推進

当社グループの競争力の源泉である従業員一人ひとりがそれぞれの能力を最大限発揮できるよう、安全で衛生的な職場で安心して働ける環境づくりを推進しています。国内全事業所で実施される月1回の安全衛生委員会を通して、従業員の安全衛生や健康に関するリスクを洗い出し、その対策を検討しています。そのうち、衛生分野では健康リスク評価の指標として4つの項目を経年でモニタリングし、疾病休業日数率との相関関係を精査しています。また、階層別研修等の場で、業務上、遵守すべき労働安全衛生に関する基準や従業員自身の健康管理に重要な食事、運動、睡眠について理解を深めるための教育を実施しています。

安全衛生委員会の開催

安全衛生委員会の設置義務のない小規模な事業所においても委員会を開催する等、当社では従業員の100%が安全衛生委員会でカバーされるようにしています。(国内グループ全体では、従業員の93.7%をカバーしています。)

安全衛生および健康リスク評価

下記4つの指標で、国内全事業所の従業員を対象に、リスク評価を行いました。

2020年度2021年度2022年度
ストレスチェック受験率  79.7%80.1%80.3%
高ストレス者率14.2%13.7%15.0%
特定保健指導受診率42.6%35.2%45.0%
喫煙率37.6%35.7%34.7%

対象範囲:当社、国内グループ会社

疾病休業日数率

疾病休業日数率   
(2022年度)
  1.05%

※疾病休業日数÷在勤労働者延べ所定労働日数×100

対象範囲:当社、国内グループ

健康や安全をテーマとして取り上げている主な階層別研修(2022年度)

研修名 具体的な内容 受講者数(名)
新入社員研修 職場の安全と事故防止の為の実技指導 182
若手基礎研修 直近の労働災害事例を題材とした安全意識の醸成 186
新任係長研修 管理者としての労働安全衛生の理解や直近の事故事例の説明 137
新任課長研修 安全衛生管理体制や安全配慮義務、長時間労働による健康リスクの理解 67

対象範囲:当社(正社員)、国内グループ会社(正社員)

仕事と育児・介護との両立

ダイバーシティ&インクルージョン

少子高齢化による労働力人口の減少が見込まれるなか、特に物流業界での人財不足は顕著であり、これまで以上に多様な人財の活躍は、ロジスティードグループが物流事業を通じて社会に貢献するうえで不可欠な要素です。当社グループでは、多様な働き方を実現する制度や仕組みの整備に加え、教育等を通じたダイバーシティ&インクルージョンの風土醸成と促進に取り組んでいます。

従業員エンゲージメントの向上

持続的な成長を実現するためには、従業員と会社のつながりの強さ、エンゲージメントが重要になっています。エンゲージメントを高めるためには、当社グループのあり方と進むべき道を示し、従業員一人ひとりをつなぐ軸となる「LOGISTEED WAY」の理解浸透を欠かすことはできません。また、エンゲージメントサーベイの実施によるモニタリングとその調査から浮き彫りになった課題に対してフォローアップし、エンゲージメントの向上と従業員一人ひとりが生き生きと働き続けられる会社をめざします。

LOGISTEED WAYの浸透

「LOGISTEED WAY」の考え方が、従業員一人ひとりの行動や判断基準に定着するよう、職場懇談会、各階層別研修やeラーニングなどの定期教育、VC活動などの取り組みを継続的に実施しています。

モニタリング

従業員エンゲージメントサーベイ

当社グループでは、組織活性化や従業員のエンゲージメント向上に向けて、年1回、エンゲージメント調査を行っています。結果については詳細を分析し、社内課題を抽出の上、課題解決に向けた取り組みを行いながら、従業員のエンゲージメント向上を図っています。また、海外についても、2024年度中の全社同時実施を目標に、2023年度は試験的にエリアを絞って実施する計画です。

「持続可能なエンゲージメント」スコア※1
(2022年度)
   66※2

※1 貢献意欲や帰属意識などに関する設問によって測定される企業の成長性との相関性が高い指標。目標値を設定しエンゲージメント向上につなげている。
※2 好意的回答の合計スコア

対象範囲:当社、国内グループ

フォローアップ

エンゲージメントサーベイの経年の結果分析、組織単位での課題洗い出し、対策の実施等により、組織の活性化に取り組んでいます。
サーベイの結果から、2022年度は、「LOGISTEED WAY」の理解浸透や従業員のマネジメント力強化に向けた教育プログラムの準備を進め、2023年度から教育を実施しています。

従業員データ

ダイバーシティや雇用創出、ワークライフバランスなど、従業員に関するデータを下記にて一覧でまとめています。

Adobe Readerのダウンロード
PDF形式のファイルをご覧になるには、Adobe Systems Incorporated (アドビシステムズ社)のAdobe® Reader®が必要です。