コンプライアンス
法令等を遵守した経営を推進するために、コンプライアンス機能を明確化するための体制を整備し、すべての役員、従業員が遵守すべき腐敗防止に関する事項を含むコンプライアンス基本方針を定め、法令や社内規則、企業倫理の遵守の徹底に努めています。また、すべての役員、従業員一人ひとりが企業活動を行う上で、どのように行動すべきかを規定した「グループ行動規範」を制定し、腐敗防止関連や競争法等の法令遵守はもとより、社会の信頼と期待に応えるために、グループ全体で企業倫理に沿った行動をとることを必須としています。さらに企業倫理・法令遵守を尊重する企業文化を醸成するために、グループ全体で積極的にeラーニングや全社集合教育、コンプライアンス会議等の遵法教育、啓発活動を実施し、コンプライアンスの徹底に取り組んでいます。
コンプライアンス推進体制
当社ではコンプライアンス・オフィサーを任命し、グループ全体のコンプライアンス活動の取り組みを統括しています。また、国内外グループ会社にコンプライアンス責任者を配置し、コンプライアンス体制の整備・強化を図っています。グループ内の腐敗防止関連事項(贈収賄、利益相反、インサイダー取引、マネーロンダリング等)や競争法を含むコンプライアンスの状況に関しては、コンプライアンス・オフィサーが代表取締役 会長兼社長執行役員に状況を報告しています。また、定期的に監査等委員会に報告しており、取締役会による監督も可能な体制でコンプライアンス施策を実施しています。
コンプライアンス推進体制図

コンプライアンス会議
当社グループ会社のコンプライアンス担当者などを対象に、コンプライアンスに関する情報共有・意見交換を目的としたコンプライアンス会議を開催し、腐敗防止に関わる項目を含むコンプライアンス関連施策の周知および不祥事防止の徹底を図っています。(国内:2回/年、海外:全体1回・エリア単位1回/年)
コンプライアンス基盤強化の取り組み
コンプライアンス携行カード

2016年より「グループ行動規範」の浸透を目的に、コンプライアンス携行カードをグループの全役員、従業員へ配付しています。行動規範の要旨や、コンプライアンスに関して判断に迷った際に参照できるフローチャートを記載するなど、役員、従業員がとるべき行動の一助となる内容としています。2018年にはカードの記載内容を厳選し、より簡潔に、読みやすく、分かりやすくリニューアルしました。同カードは19の言語に翻訳し、海外の役員、従業員一人ひとりへも配付をしています。
携行カードに記載されている主な項目
- 労働安全衛生/労働基準法令の遵守
- ハラスメント行為の禁止
- 人権の尊重
- 情報セキュリティ
- 贈収賄防止/カルテル・談合等競争法違反
- 輸出入管理
- 環境保全 等
コンプライアンス教育の実施
コンプライアンス違反を許さない堅固な企業風土を築きあげるため、腐敗防止関連、倉庫業法等について理解を深めることを目的に役員も含む全従業員を対象としたeラーニングのほか、階層別教育として、新入社員、若手社員、新任係長・新任課長、国内グループ会社の新任取締役を対象とした集合研修にてコンプライアンス教育を実施しています。また、グループ会社の事業に合わせた専門教育や、法務部による巡回教育も行っています。
コンプライアンス教育※受講者数 (2023年度実績) |
194名 |
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※eラーニング受講者除く、当社法務部が担当する研修のみ
行動規範eラーニング※受講率 (2023年4月~2024年3月実績) |
98.5%(延べ、81,955名) |
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※教育テーマ:8テーマ(反社会的勢力の断絶、文書管理、人権、競争法、贈収賄、内部通報、安全・衛生、知的財産)、対象会社数:82社(当社、国内グループ会社、海外グループ会社)
行動規範月間
2009年より毎年10月を「グループ行動規範月間」と定め、トップの率先垂範によりグループ全体で、企業倫理の確立および法令等遵守の徹底に取り組んでいます。
取り組み内容 | 対象※ |
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トップメッセージの発信 | 全従業員※ |
「コンプライアンスチェックリスト」による自己点検 | |
コンプライアンス全般のケーススタディ | |
行動規範教育「人権」「競争法」「贈収賄」の実施 | |
行動規範遵守・贈収賄防止に関する誓約書の取得 | 国内外全管理職 |
※当社を含む国内グループ会社18社、海外グループ会社64社
贈収賄防止の取り組み
当社グループは、腐敗防止をコンプライアンスの重要な課題の一つであると認識しています。なかでも贈収賄については、国内外での管理体制の強化に向けた取り組みを進めています。2022年度に「贈収賄防止に関する規則」および「接待進物に関するグローバル・ガイドライン」の改定や「贈収賄防止に関するコンプライアンスガイドライン」の制定など規則類の整備・見直しを行い、それらの内容や運用、具体的な行動ルールなどの周知徹底を図るため、各種会議や研修等での説明のほか、グループ全従業員を対象としたeラーニングを実施しています。2023年度には、海外グループ会社の通関業務担当者、通関業務を委託する取引先に対して現地の法律事務所による教育を実施しております。
お取引先様への贈収賄防止に関する取引先審査の実施
当社グループは、責任あるサプライチェーンの構築に向けては、サプライチェーン上での贈収賄リスクを低減させることが不可欠であると認識しています。2022年度に改定した「贈収賄防止に関する規則」では、サプライチェーン上でのリスク低減のプロセスとして、お取引先に対する贈収賄防止のための審査を規定しました。規則の改定後、公務員との接触頻度が多く、外部専門家および執行役員会議でリスクが高いと判断された通関業務の国内外の委託先様 約230社に対して審査した結果、現時点で贈収賄に関する懸念等は検出されておりません。今後は、定期的に実施するとともに、必要に応じて取引先ごとに贈収賄防止に関する取り組みの改善を促していく予定です。
主な審査項目
- 政府機関との関係
- 適用法令の遵守
- 会計帳簿及び記録
- 第三者取引業者の利用
- ロジスティードグループ 贈収賄防止ポリシーの周知
- データ・プライバシーに関する声明及び確認 等
社内通報制度
違法行為や不適切な行動に関して、早期発見・是正を図るため、社員をはじめ関係者が安心して通報できる仕組みとして、社内通報制度を導入しており、通報窓口は、社内窓口のほか、外部窓口として社外弁護士に通報できる体制を整えています。本制度は、当社およびグループ会社の役員、従業員、パート・アルバイト、派遣社員など、当社グループに勤めるすべてのひとのほか、当社またはグループ会社の取引先従業員の方が利用できます。
通報があった場合には、通報者本人および通報対象者・関連する第三者へ事実確認を実施し、違反行為を発見した場合は是正・再発防止に努めています。また、通報者に対して報復等の不当な扱いが起きていないか確認しています。
また、当社グループでは、通報者の個人情報を保護するとともに、通報の秘密厳守、また、通報したことを理由にとする一切の不利益な取り扱いを禁止し、通報者等の保護を徹底しています。
具体的には、通報案件の調査担当者に対しては、通報の秘密保持厳守、通報者への不利益な取扱いの禁止等、社内通報運用規則を遵守する旨の誓約書の提出を求めているほか、通報者に対しては、通報後に不利益な取り扱いを受けていないか等の確認を行っています。
社内通報制度周知ポスター
社内通報制度の社内周知徹底に向けて、18の言語で周知用のポスターを制作し、各拠点で掲示しています。
- 通報者を特定できる情報は、事前同意なしに開示しません。
- 通報したことにより不利益な取り扱いはされません。

通報方法 |
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以下の窓口には、封書、メール、Webサイトへの書き込み等で通報できる仕組みを整備しています。
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通報できる内容 |
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内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)
2021年6月、当社は、消費者庁所管の「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」の自己適合宣言登録事業者として登録されました。「内部通報制度認証(自己適合宣言登録制度)」は、企業の内部統制およびコーポレート・ガバナンスの重要な要素である内部通報制度の適切な整備・運用の促進を図るため、消費者庁が2019年2月から導入した制度です。事業者が自らの内部通報制度を評価した内容で申請を行い、消費者庁指定の登録機関による審査で、認証基準※に適合しています。なお、本制度認証は、2022年6月に公益通報者保護法が改正されたことに伴い、新たな制度の検討がなされるため当面の間休止となっています。
2023年度は、匿名性の確保を強化するため、通報受付時に、匿名の通報者に対して、氏名・職位の開示依頼をしない運用に変更しております。
※「公益通報者保護法を踏まえた内部通報制度の整備・運用に関する民間事業者向けガイドライン」(2016年12月9日消費者庁)に基づく内部通報制度認証基準
社内通報(内部通報)件数

2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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国内 | 35 | 50 | 64 | 34 | 70 |
海外 | 9 | 4 | 3 | 16 | 8 |
合計 | 44 | 54 | 67 | 50 | 78 |
コンプライアンス違反について
2023年度における腐敗防止関連法令や競争法等にかかわる違反件数は以下の通りです。
- 腐敗防止関連法令や競争法等にかかわる法令違反による罰金等に要した費用:0件(0円)
- 腐敗防止関連法令や競争法等にかかわる法令違反により解雇された従業員数:0人
政治献金
政治献金については、「グループ行動規範」にて政治団体または政治家の理念が当社の経営理念に沿う場合のみに行えることを規定しています。また、献金の際は、政治資金規正法などの関係法令に則り、適切に対応しています。
2023年度の政治献金額(千円) | 1,970 |
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コンプライアンスデータ
コンプライアンス研修の実施回数や社内通報制度の相談件数等、コンプライアンスに関するデータを下記にて一覧でまとめています。