人権の尊重
当社グループは、社会インフラを支える企業として「豊かな社会づくり」を支える良質なロジスティクスサービスを提供しつづけるために、人権方針の制定、リスク評価、教育研修などを通じて、事業に関連するすべての人の尊厳を守る企業活動を推進しています。
- ロジスティードグループの人権方針
- 人権を尊重したビジネスの基盤構築に向けた取り組み
- Myじんけん宣言
- ハラスメント防止への取り組み
- ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
- 多様性・人権・ハラスメント教育の受講状況
- 労働における基本的原則および権利の尊重・促進・実現に向けた取り組みの状況
ロジスティードグループの人権方針
当社グループは、経営理念「広く未来をみつめ 人と自然を大切にし 良質なサービスを通じて 豊かな社会づくりに貢献する」という考えのもと、「国連の"ビジネスと人権に関する指導原則"」、「OECD 多国籍企業行動指針」、「国連グローバル・コンパクト」、「国際労働機関(ILO) 労働における基本的原則及び権利に関する宣言」および「世界人権宣言」を踏まえ、2023年4月に人権方針を制定しました。本方針の制定にあたっては、人権に関する外部専門機関からのご助言も反映のうえ、執行役員会議で審議し承認を得ています。当社グループは、本方針を人権に関する最上位の方針として位置づけ、人権に関連する取り組みを継続的に推進します。
ロジスティードグループ人権方針(PDF形式、318Kバイト)
また、当社グループでは、人権尊重へのさらなる理解を深めるため、「人権の尊重」を基本的な行動方針に盛り込んだ「グループ行動規範」をマニュアルとして活用しているほか、eラーニングによる従業員教育や新入社員、経験者採用社員、新任係長・新任管理職向け階層別研修などを実施しています。2024年度は、当社グループ(国内・海外)の新任役員41人を対象に、役員向け人権研修を実施しました。また、当社と国内グループ会社の正社員366名が階層別教育等で人権に関するテーマが含まれる教育を受講しました。
さらに、毎年10月の「グループ行動規範月間」には、社長からのメッセ―ジとして「人権の尊重とコンプライアンス遵守」を発信するとともに、人権に関する内容も織り込んだケーススタディの活用よる職場内コンプライアンス教育を当社および当社グループ(国内)で実施しています。2024年度の職場内教育には21,617名の社員が参加しました。
ロジスティードグループ行動規範(PDF形式、1.14Mバイト)
人権を尊重したビジネスの基盤構築に向けた取り組み
当社グループでは、第三者機関による人権影響評価を実施し、リスクや課題を把握した上で、人権を尊重したビジネスの基盤構築に向けた各種施策に取り組んでいます。
人権影響評価とその対応に向けての具体的なステップは、下記の通りです。
Step1:物流業界のグローバルデスクトップリサーチの実施
2022年度より、人権問題に見識のある一般社団法人The Global Alliance for Sustainable Supply ChainおよびRightsDD Ltd. のサポートを得ながら、これまでの当社の取り組みの総括や物流業界全体に対してのグローバルデスクトップリサーチを実施し、全業界共通および物流業界で重要なグローバル人権課題について整理しました。
Step2:日本での優先度が高いリスク「外国人技能実習制度の下での強制労働」の実態調査
Step1での整理の結果を踏まえて、日本において優先度の高いリスクとして特定された「外国人技能実習制度の下での強制労働」について、技能実習生を最も多く採用している日本国内のグループ会社に対して強制労働に関する実態調査を実施しました。実習現場調査や技能実習生、技能実習生の監理団体へのヒアリング等を踏まえた調査の結果、調査対象のグループ会社の管理が適切であることが確認できました。
Step3:グループ各社へのデスクトップリサーチと、その結果に基づくSAQ※の実施
次に、国内外の連結子会社を対象として81社(2023年4月時点)に対して、「デスクトップリサーチ実施率」を2023年度のKPIとし、地理、製品、産業、雇用形態、法規制の5つの観点からリスク評価を行いました(実施率:100%)。そのうち、地理、製品の観点を特に重視しつつ、総合的にハイリスクとされた27社(33%)について個別のSAQを実施し、その結果に基づき、それぞれ抱えるリスクや課題に合わせた施策に取り組んでいます。
※SAQ:Self-Assessment Questionnaire(セルフチェックリスト)
グループ各社へのデスクトップリサーチの結果
| 国内グループ | 海外グループ | 当社グループ全体 | ||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 会社数 | 割合 | 会社数 | 割合 | 会社数 | 割合 | |
| ハイリスク | 0社 | 0% | 27社 | 44% | 27社 | 33% |
| ローリスク | 20社 | 100% | 34社 | 56% | 54社 | 67% |
| 総計 | 20社 | 100% | 61社 | 100% | 81社 | 100% |
Step4:人権侵害リスクの低減活動
2024年度は前年度までに把握した人権に関する課題への対応として、国外の人権関連法への遵法対応を行いました。日本国内においては外国人技能実習生の管理状況について調査を実施し、適切な管理が継続されていることを確認しました。 外国人技能実習生については引き続き監理団体と連携し、適切な実習および業務環境の維持・向上に努めます。また、今後は、人権デュー・ディリジェンス推進体制の構築および、「人権を尊重した責任あるサプライチェーンの構築」のための基盤強化に向けた施策に取り組んでいきます。
Myじんけん宣言
当社グループは、2023年4月の「ロジスティードグループ人権方針」の制定に伴い、2021年7月に行った「Myじんけん宣言」の内容の一部を更新しました。
「Myじんけん宣言」とは、法務省が主管する「Myじんけん宣言」プロジェクトに参画した、企業、団体および個人が、人権を尊重する行動をとることを宣言することによって、誰もが人権を尊重し合う社会の実現をめざす取り組みです。当社グループでは、「ロジスティードグループ人権方針」を人権に関する当社グループの最上位の方針とし、2016年に制定した「グループ行動規範」の基本となる行動指針のなかで掲げている「人権の尊重」の前提に位置付けています。今回の「Myじんけん宣言」の更新をきっかけとし、その主旨のもと人権の尊重と人権を尊重したビジネスへのさらなる理解を深めていきます。
「Myじんけん宣言」特設Webサイト(外部ページに移動します)
ハラスメント防止への取り組み
私たちは、職場や学校などでのさまざまな場でハラスメントが増加し、社会問題となっていることを認識しています。当社グループでは、「ハラスメントとは何か」ということについての理解を促進するため、国内の各事業所にハラスメント防止の啓発ポスターを掲示しました。また、ハラスメントに関する相談窓口を設置し従業員からの相談に対応するなどハラスメントのない職場づくりを推進しています。2021年度においては、国内グループの全管理職を対象にハラスメント防止についての動画教育を実施し、企業での発生増加が問題となっているハラスメントの対策強化に努めました。また、発生が認められた事業所については、各所にて再発防止策を講じています。
ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
当社グループは「性別」「人種」「宗教」「年齢」「障がい」「性的・宗教的・政治的指向」「国籍」「社会的・文化的背景」など価値観やバックグラウンドが異なる人財が、それぞれの持てる力を十分に発揮できる組織をめざしています。将来の予測が困難な社会、そこにおける付加価値創造について、多様な人財が一層活躍し、社会への貢献を通じた会社の成長を実現すべく、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推進していきます。
多様性・人権・ハラスメント教育の受講状況
当社グループでは、人権、ハラスメント、多様性に関する意識向上のため、従業員全員が必ず年に1回は人権に関する教育を受講することを目標に、反復した教育機会を提供しています。階層別教育や行動規範月間※に加え、年度毎の重点テーマに絞り込んだ教育施策を継続実施することにより目標を達成しています。
多様性・人権・ハラスメント教育別受講者数(名)
対象範囲:当社、国内グループ会社
| 区分 | 研修名 | 多様性 | 人権 | ハラスメント | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
|
階層別 教育 |
新入社員研修 | ○ | ○ | ○ | 199 | 196 | 217 |
| 新任係長研修 | ○ | ○ | ○ | 170 | 59 | 92 | |
| 新任課長研修 | ○ | ○ | ○ | 101 | 44 | 57 | |
|
その他 教育 |
グループ行動規範月間 | ○ | 22,547 | 22,438 | 21,617 | ||
| ハラスメント研修 | ○ | 3,977 | 2,058 | 626 | |||
| 実践ダイバーシティ 基礎編 | ○ | 8,964 | 1,300 | 9,768 | |||
| 女性社員向けキャリア開発研修 | ○ | 37 | 33 | 30 | |||
| ロジスティード女性社員向けリーダシップ研修 | ○ | 26 | 8 | - | |||
| 実践ダイバーシティ・マネジメント | ○ | 1,734 | 525 | 75 | |||
| 女性社員上長向け研修 | ○ | 43 | 43 | 27 |
※行動規範月間:毎年10月を「グループ行動規範月間」と定め、トップの率先垂範によりグループ全体で企業倫理の確立および法令等遵守の徹底に取り組んでいる。
労働における基本的原則および権利の尊重・促進・実現に向けた
取り組みの状況
労使間の対話
当社グループでは、結社の自由・団結権・団体交渉権を労働者の権利として尊重しており、「グループ行動規範」において、従業員の結社の自由や団体交渉権の行使を妨げることを、「禁止される行動事例」として明確にしています。
また、当社においては、経営上の重要事項に関する労働組合への説明や、福利厚生や賃金などについての労使での議論の場として労使協議会を設置し定期的に開催する等、労使間で対話を重ね、労働環境の改善を図っています。
| 労働組合加入率 | |
|---|---|
| 当社 | 54.1% |
| 国内グループ※ | 88.5% |
※従業員組織(社員会)を含む
賃金について
当社グループでは、「グループ行動規範」において、各国・各地域の法令に定める最低賃金の保証、労働時間制限、同一労働・同一賃金を遵守するよう定め、適切な労働条件の確保に努めています。
また、すべての従業員は定められたルールに則り、個人毎の評価に基づいて公正かつ適正に処遇され、賃金の水準は「役割」「能力」「個人が達成した成果」、および労使で協定した内容を反映して決定しています。
| 個人毎の評価を受けた従業員の割合 | |
|---|---|
| 当社 | 100% |
| 国内グループ※ | 100% |
※アルプス物流グループを除く