環境活動
事業所で発生する環境負荷の低減
当社グループでは、事業プロセスにおける脱炭素の実現をめざし、エコカーや省エネ機器の積極的な導入を通じて、事業所で発生する環境負荷の低減に取り組んでいます。グループ内のエネルギー使用量の約7割が電気、約3割が燃料の使用であり、省エネ・温暖化対策として以下を進めています。
建屋での省エネ・温暖化対策
LED照明設備の導入

新設する物流センターや事務所へのLED照明設備導入を積極的に進めています。また、既存の施設においても蛍光灯・水銀灯からLED照明設備への全面的な切り替えを順次進めており、今後も継続していきます。
人感センサーの活用

愛知県にある中京物流センターでは、人感センサーを活用した節電の取り組みを進めています。無人時の保管棚での照明点灯による消費電力を抑えるため、保管棚の間に人感センサー付きの補助灯を設置し、製品の取り出しや格納などを行う作業者を感知したときのみ照明を点灯させることで、作業者の安全と節電を両立させています。
再生可能エネルギーの調達
- 再生可能エネルギー
- 事業所で使用する電力の再生可能エネルギー由来電力への切り替えを積極的に進めています。
- 2023年度は、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを104事業所で実施し、前年度の17事業所から大幅に拡大しました。104事業所のうち、当社松戸研修所および陸上部クラブハウス等を含む25事業所では、再生可能エネルギー100%プランの適用によりCO2排出量ゼロを達成しました。
- 非化石証書
- 当社本社ビルにおいては、非化石証書を市場から調達してオフセットし、CO2排出量実質ゼロを達成しました。
太陽光発電設備の導入
自家消費型の太陽光発電設備を既に6つの拠点に導入していますが、それ以外の拠点についても導入を検討しています。
物流センター屋上への太陽光パネルの設置

グループ会社のバンテック九州では、物流センター(福岡県)の屋上に太陽光パネルを設置しています。同センターでは太陽光発電の導入により、2023年度は15トンのCO2排出量を削減しました。
建屋での省エネ・創エネ等によるCO2排出量の削減
「建屋」(電気)から排出するCO2排出量の削減 | 2023年度目標 | 2023年度実績 |
---|---|---|
対前年 ▲2% | ▲11.2% |
車両の省エネ・温暖化対策
当社グループは、最新型エコカーの導入やエコドライブの推進、モーダルシフトなどの輸送改善により、車両燃料起源のCO2排出抑制に取り組んでいます。
エコカーへの代替促進とエコドライブの推進

低燃費・低公害な環境対応車(エコカー)への代替を進めています。一部の特殊用途車両を除き、2016年度末にエコカー保有率100%を達成しました。今後も、より環境性能に優れた最新型エコカーへの代替を進めることで大気汚染物の削減につなげるとともに、エコドライブなどの推進により、環境負荷低減に取り組んでいきます。
SSCV-Safety導入によるエコドライブの実現
当社グループでは、独自に開発した「SSCV-Safety」を国内グループの全車両に導入し、交通事故の未然防止などの安全面だけでなくエコドライブによる車両の燃費向上もつなげています。「SSCV₋Safety」により、急制動や車間距離不足による急ブレーキ・急ハンドルなどのヒヤリハットやドライバーの疲労度などをリアルタイムで検知し、アラートを発することで事故の未然防止に繋げているほか、日々の運転データを映像とともに記録し安全運転指導に活用しています。急ブレーキ・急ハンドル・急発進は車両の燃費悪化にもつながるため、走行中に発せられるアラートや降車後の安全運転指導は、エコドライブを促進する側面があり、車両の燃費向上にも寄与しています。
ダブル連結トラックの導入

グループ会社のバンテックセントラルでは、環境省と国土交通省の連携事業である「物流分野におけるCO2削減対策促進事業」として、全長21mのダブル連結トラックを2セット導入し、運行しています。今後は、運行区間を拡大し、さらなる物流効率化を進めていきます。
2023年度実績
導入車両 | ダブル連結トラック(全長21m)×2セット |
---|---|
運行区間 | 静岡県富士市~京都府南丹市 |
運行時期 | 試験走行:2019年2月、実運用:2019年8月~ |
当社グループのバンテックがダブル連結トラックを開始(2019年8月22日)
輸送車両等の電化

燃料電池トラック(FCV)
当社グループでは、輸送における環境負荷低減に向け、電気自動車や燃料電池車の導入を市場動向を注視しながら進めています。
2022年度末までに電気トラックを4台導入し、2023年度はロジスティード東日本で、当社グループ初となる燃料電池トラック(FCV)を導入しました。今後も電気トラックの導入を拡大し、CO2排出量の削減に取り組んでいきます。
海外での導入事例
- ESA s.r.o.(チェコ)
チェコでは2027年7月からトラックに適用されるEuro 7※の規制に基づき、トラックの排ガス基準が厳格化されています。そのような中、グループ会社のESA s.r.o.では、ボルボ社のFM42トラクタや、メルセデス・ベンツ社の18パレット積載可能な大型の電気保冷車eActros400など、様々な電気自動車を利用し、テスト配送を実施しました。これらのテスト配送は顧客サイトと倉庫間で実施し、トラックの走行距離は1回の充電で約300キロメートルの結果となりました。チェコでは急速充電ステーションの設置がまだ十分ではないため、テスト配送ではバッテリー残量のモニタリングやルート計画の最適化など、運用手順の評価にも重点が置かれました。 トラクタやトラック用の電気駆動システムの開発が急速に進んでいることから、ESA s.r.o.ではテスト車両より走行距離の長い車両の導入検討を進めています。
※Euro 7:欧州で販売される自動車に適用される排ガス規制の名称
- VANTEC EUROPE LIMITED(イギリス)
イギリスにあるグループ会社のVANTEC EUROPE LIMITEDでは、温室効果ガス(GHG)排出削減にも大きく貢献できる「次世代バイオ燃料」として、さらなる利用拡大が期待されているHVO(水素化植物油)で走行するトラクターユニット7台を2023年に導入し、ウィンスフォードの物流加工センターからクルーにある製造現場までの16マイルのルートでラストワンマイル・ロジスティクスに活用しています。車両を改造することなくHVOで使用でき、CO2排出量を100%削減できることを確認しました。
フォークリフトの省エネ化


当社グループでは、2021年度よりリチウムイオンバッテリーを搭載したフォークリフトの導入を推進しています。倉庫などでの物流作業に欠かせないフォークリフトには主に鉛バッテリーが使用されていますが、長寿命かつ充電効率の高いリチウムイオンバッテリーに切り替えることで、消費エネルギーの低減を図っています。2023年度は31台のリチウムイオンバッテリーフォークリフトを導入しました。今後もリチウムイオンバッテリーの導入を拡大し、フォークリフトの省エネ化に取り組んでいきます。
車両の電動化推進等によるCO2排出量の削減
車両(燃料)から排出されるCO2の削減 (CO2排出量削減に関する目標) |
2023年度目標 | 2023年度実績 |
---|---|---|
対前年 ▲1% | +2.2% |
環境負荷の小さい物流・サービスの提供
当社は、自社グループだけでなく、お客さまのサプライチェーンも含めたCO2排出量の削減や環境負荷低減に取り組んでいくことが重要だと考えています。その考えのもと、環境方針の一つに「環境負荷の小さい物流・サービスの提供」を掲げ、モーダルシフトや共同配送等の従来の取り組みのほか、お客さまのスコープ3も含めたCO2排出量の削減に資するサービスの開発など、事業活動を通じた環境負荷の低減と新たな環境価値の提供をめざしています。
北米における自動車部品のミルクラン輸送
北米のグループ会社Carter Express社では、独自のミルクランビジネスモデルを活用した自動車部品の米国内トラック輸送をはじめ、北米自由貿易協定(NAFTA)に加盟するカナダ、米国、メキシコの3ヵ国間のクロスボーダー輸送など、これまでの経験で培ったオペレーションノウハウと確かな輸送力を駆使した特色あるサービスを提供しています。
例えば、複数のお客さまの複数のサプライヤーの商品を集荷するミルクランでの共同輸送(シェアードミルクラン)では、トラックの運行本数や走行距離が削減されるため、物流コストの低減だけでなく、お客さまのサプライチェーンでのCO2排出量の削減にも大きく貢献しています。
モーダルシフトの推進
国内のモーダルシフト
当社グループでは、CO2排出量の削減とトラック・ドライバー不足の解消等を目的として、「新規顧客・新規ルートの開拓」を目標に掲げ、トラック輸送から鉄道や船舶による輸送に切り替えるモーダルシフトを積極的に推進しています。
新たに開拓したルートとお客さま(件数)

種類 | 年度 | 区分 | ルート/件数 | 内容 |
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鉄道 | 2023年度 | ルート | 2ルート |
|
船舶 | 2023年度 | ルート | 4ルート |
|
海外でのインターモーダル※の推進
当社グループでは、国内だけでなく、海外でも専用コンテナを導入してモーダルシフトを推進し、グローバルでCO2排出量の削減に努めています。
例えば、トルコのグループ会社Mars Logistics社は、独自のクロスボーダー輸送に力を入れています。イスタンブールなどのトルコ国内拠点からイタリアへの船舶輸送、イタリアからルクセンブルクまでの鉄道輸送、ルクセンブルクからEU諸国主要都市へのトラック輸送に対応することで、高効率で環境負荷の少ない持続可能な物流を実現しています。
※インターモーダル:トラック・船・鉄道等を組み合わせた複合一貫輸送
これまでの実績
- 「令和5年度 エコシップ・モーダルシフト事業」バンテックが優良事業者として表彰(2024年5月31日)
- 「令和4年度モーダルシフト取り組み優良事業者賞(新規開拓部門賞)」を受賞(2022年11月15日)
- 「令和3年度モーダルシフト取り組み優良事業者賞(有効活用部門賞)」を受賞(2021年11月16日)
- 当社グループ(2件)が「令和2年度モーダルシフト取り組み優良事業者賞(有効活用部門賞)」を受賞(2020年11月13日)
再生資源廃棄物輸送におけるモーダルシフト
廃棄物から分別された廃プラスチックなどのリサイクル素材の運搬において、船舶を利用したモーダルシフトによる輸送サービスを強化することで、CO2排出量の削減に貢献しています。
リサイクル素材の輸送は、以前から独自に開発したコンテナを利用し船舶によるモーダルシフト輸送を行っていましたが、2019年度は、改良した新型のコンテナを導入することで、さらなる効率化を実現しました。これは、新型コンテナの導入により、積載量を増やすことと荷卸時間を短縮することの両立が可能となり、輸送本数が毎月約3分の2に抑制されたことなどによるものです。また、すべての行程をダンプカーで輸送した場合とのCO2排出量を比較すると、約4割以上削減されたことになります。この「新型専用輸送コンテナ開発による再生資源廃棄物輸送の輸送効率向上への取り組み」が評価され、第21回物流環境大賞において「物流環境特別賞」を受賞しました。
プラスチックごみの海洋汚染問題などが指摘される中、今後も当社は、モーダルシフトの推進やリサイクル業界への環境負荷の小さい物流サービスの提供を通じて、環境問題の解決に貢献していきます。



詳細は以下からご覧いただけます。
同一の海上コンテナを活用した製品原材料と完成製品の輸送
トラックドライバー不足が深刻化するなか、将来に渡る長距離輸送の安定確保が課題となっています。当社グループでは、安定的な輸送に向けて、九州と関西間の長距離輸送をトラックから内航船による輸送に切り替えるモーダルシフトに取り組んでいます。この取り組みでは、内航船への切替のため、海上輸送用コンテナを国内輸送でも利用できるよう、複数の荷主をはじめ各関係先との連携を図り、製品原料の国内輸送と完成製品輸出を同一コンテナでおこなうことで、1運行当りの輸送量を大幅に増加させました。この取り組みは、ドライバー不足の対応としてだけでなく、輸送の効率化によるCO2排出量の削減にも貢献しています。
この取り組みは、3つの表彰制度で評価されています。
- 第23回物流環境大賞「先進技術賞」を受賞(2022年7月6日)
- 令和3年度 エコシップ・モーダルシフト優良事業者表彰「海運モーダルシフト大賞」を受賞(2022年5月24日)
- 令和3年度 グリーン物流パートナーシップ会議優良事業者賞表彰事業概要(国土交通省)
共同ターミナル開設による環境負荷低減

主要施策の一つである集中配車センター構想の一環として、2021年2月に茨城県那珂郡東海村に開設した水戸輸送センターは、当社グループだけでなく、地域の輸送協力パートナーとの共同ターミナルとして、地域における輸送リソース(貨物・車両情報や事務所・車庫等)をシェアリングすることで、パートナーも含めた輸送エコシステム全体での効率的な事業運営を行っています。
当輸送センターは、運営に際して荷主と輸送事業者をつなぐWebシステム「SSCV-Smart」の導入により、輸送案件の獲得から配車、運行指示書の発行、請求までシステム上で一元管理が可能となるため、事業効率化によるCO2排出量や紙使用量の削減など環境負荷低減が期待できます。
プラスチックごみの削減を目的とした「減容」施策の展開
当社では、環境管理部門と技術開発部門が連携しながら「減容」ストレッチフィルムの導入を検討しています。ストレッチフィルムは、積み上げた荷物をまとめる際などに使用するものですが、使用後は廃プラスチックとして処分されているため、薄手のものに代替することで、廃プラスチックの発生量の削減につなげることが可能となり、包装材としての機能性の維持と減容が両立できるようになります。そこで当社では、現状よりも薄手のストレッチフィルムの市場調査や情報収集などを進め、プラスチックごみの削減をめざしています。
プラスチックパレットのリサイクル

プラスチックパレットの販売やレンタルなどを行っているグループ会社のパレネット(株)では、破損し使用できなくなった返却パレットを廃棄せずに、新品パレットの材料として同社が出資している再生プラスチックパレットの製造会社に提供することで、廃プラスチックの削減と資源の有効活用につなげています。この取り組みにより毎年2万枚超の廃プラスチックパレットが再資源化されています。
包装技術に関わる表彰
2023日本パッケージングコンテスト 「テクニカル包装賞」「大型・重量物包装部門賞」をダブル受賞
当社グループでは、包装技術の向上に取り組んでおり、お客さまのニーズに応えつつ、包装に関わる資材・廃棄物の削減など、環境負荷の低減に努めています。
2023年度は、公益社団法人日本包装技術協会主催の「日本パッケージングコンテスト」において、「エレベータ部品木箱の段ボール化」がテクニカル包装賞を、「試薬交換ロボット用スロープ付き輸送梱包箱」が大型・重量物包装部門賞を受賞しました。「試薬交換ロボット用スロープ付き輸送梱包箱」の事例では、包装仕様を木箱から強化段ボールに変更し、開梱作業時間を50%削減するとともに、資材の調達から梱包箱の廃棄までに発生するCO2排出量を90%削減しました。
事例/受賞名 | 主な効果 |
---|---|
エレベータ部品木箱の段ボール化/テクニカル包装賞 |
|
試薬交換ロボット用スロープ付き輸送梱包箱/大型・重量物包装部門賞 |
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詳細は以下からご覧いただけます。
これまでの実績
EC物流向けシェアリング自動倉庫の運営による環境負荷の低減
当社では、EC需要の急速な拡大を受け、EC事業者向けの物流を担うECプラットフォームセンターを2019年に開設しました。当センターは、オペレーションの標準化や自動化設備導入による夜間を含めた長時間稼働の実現等により、複数のEC事業者の物流作業を一つのプラットフォームで運用することにつなげ、施設・設備のシェアリングによる物流の効率化と環境負荷の低減に取り組んでいます。CO2の排出量で従来のEC事業者ごとの複数拠点による物流と比較すると、省人化や自動化設備の規模の拡大に伴う電気使用量の増大といった増加要因はあるものの、最大30の複数事業者の拠点をECプラットフォームに集約した場合、エネルギー効率の向上により、1年で約30%の排出削減が期待できます。この取り組みが評価され「第22回物流環境大賞」(2021年)において「先進技術賞」を受賞しました。


お客さまの事業の脱炭素化の支援
ーSCDOS「EcoLogiPortal」提供によるお客さまの脱炭素化の支援ー
お客さまのサプライチェーンの最適化を支援するDXサービス「SCDOS」において、2021年度から「CO2排出量見える化機能」のサービスを提供しています。これは、お客さまの多様なデータを一元管理・モニタリングしながら、サプライチェーンにおけるCO2排出量・削減量の正確な把握・可視化を可能するサービスで、第三者機関による適合性評価を得ています。2023年度は目標を上回る件数の提案を行い、海外のお客さまへもサービスの導入・展開を図っています。国内のみならず海外のお客さまの物流領域で排出されるCO2排出量の可視化と削減を支援しました。
循環型社会に適応した物流サービス
当社グループでは、レンタル、サブスクリプション、シェアリングなどに代表される利用・体験型サービスを提供するお客さま向けの物流サービス「レコビス」を通じて、ものを「買うから借りるへ」、「所有から利用へ」といった消費志向の変化に対応するビジネスをサポートし、循環型社会の進展に貢献しています。
環境意識と環境管理レベルの向上
当社グループでは、環境教育などにより、従業員の環境意識の向上に取り組んでいます。また、2019年度に既存の環境管理システムの見直しを図り、より精度の高い実績データの把握および監視活動を行っています。海外においては事業所の環境負荷や重要な環境法令の調査を行い、環境負荷の管理および遵法確保に努めています。
環境意識の向上
環境eラーニングでの学習
環境eラーニングを、主に国内の従業員を対象に毎年実施し、地球温暖化防止、資源循環、生態系保全などについての理解促進を図っています。さらに、「グループ行動規範eラーニング」の中でも、環境についての内容を盛り込み、企業倫理としての環境の重要性を周知しています。
管理システムの活用(国内)
現在活用している管理システムは、以下の通りです。

システム名 | 導入目的 | 導入拠点数/ ()内:導入比率 2023年3月末時点 |
---|---|---|
産業廃棄物管理システム |
廃棄物処理法に基づくマニフェスト管理 操作性・効率性を重視した全面リニューアルによる廃棄物等排出物の管理レベル向上 |
250拠点(100) |
環境負荷調査システム |
省エネ法等に基づく電気・燃料等エネルギー使用量の調査 入力・集計業務改善による環境負荷データの精度向上 |
374拠点(100) |
車両管理システム |
省エネ法、NOx・PM法等に基づく車両燃料使用量、走行距離、登録情報の管理 操作性・機能改善による車両管理レベルの向上 |
435拠点(100) |
継続的な研修・会議の実施による管理レベルの向上
各種研修や会議を通じて、環境管理レベルの向上を図っています。
環境管理レベルの維持・向上を目的とした研修
環境に関する研修を継続的に実施することで、環境管理レベルの維持・向上に努めています。
- a. 廃棄物管理担当者研修
- 廃棄物管理担当者を対象に、法令規定に適合した処理などの確実な推進を目的とした研修を継続的に実施し、廃棄物などの適正管理と再資源化率向上につなげています。
- b. 環境管理業務研修
- 新入社員、新任係長・課長を対象に環境教育を継続的に実施し、環境意識の醸成を図っています。2023年度は、SDGsやESG投資に関する社会の潮流や企業への期待の高まりへの理解や、脱炭素に向けた事業活動への理解と各事業所での具体的な活動事例の共有に重点をおいた教育を実施しました。
環境推進会議の開催
国内外で環境情報を共有し、環境意識と管理レベルの向上に努めています。
環境会議開催回数 (2023年度) |
国内:環境推進会議 2回 |
---|---|
海外:環境責任者会議 2回 |
社内環境監査の実施
環境コンプライアンス違反の未然防止や早期是正、管理レベルの向上を目的として、拠点毎に原則3年に1回社内監査を実施しています。
社内監査実施拠点数 (国内:2023年度) |
129拠点 |
---|
第三者認証への取り組み
当社グループでは、第三者認証の取得を進めており、現在、本社サステナビリティ推進部では「エコステージ」の認証を取得しています。2017年度より、ISO14001と同水準である「エコステージ2」へと認証のレベルを向上させ、環境マネジメントシステムを全社に横展開することで、グループ全体での環境管理レベルの向上に努めています。2019年度には、グループ会社であるロジスティード中部においても独自に「エコステージ2」の認証を取得し、継続的に更新しています。
また、2023年4月現在、「グリーン経営認証」をトラック運送事業で11事業所、倉庫業では7事業所にて取得しています。今後も、これらのマネジメントシステムを活用して、環境負荷の低減に努めていきます。
対象範囲:当社、国内グループ会社
エコステージ2の適用範囲 |
---|
334拠点 (2024年3月末時点の国内の全拠点) |

エコステージ2認定証

グリーン経営認証登録証
CO2排出量データの第三者保証
当社グループは、2021年度の温室効果ガス(GHG)排出量※について、2022年度に、保証機関LRQAの審査によるISO14064-3:2019を基準とした第三者保証を取得しました。今後も、第三者保証を受けることで算出値の信頼性を確保するとともに、「スコープ3」への範囲拡大に取り組んでいきます。
※対象範囲:CO2排出量のスコープ1およびスコープ2(国内)
2022年度 温室効果ガス排出量に関する第三者検証保証書(PDF形式、641kバイト)
インターナルカーボンプライシング(ICP)の検討
脱炭素に向けた取り組み促進のため、投資判断へのICPの活用を検討しています。2022年度は、ICPを10,000円/t-CO2に設定し運用方法等の検討を行いました。今後は、ICPを活用した投資判断の制度化と社内周知を図っていきます。
海外との連携強化
海外も含めたグループ全体での環境負荷低減に向け、海外拠点との連携強化に取り組んでいます。2023年度は、海外現地法人も各国の事情に応じた環境行動計画を設定しました。
サプライチェーン全体でのCO2排出量削減に向けた取り組み
サプライチェーン全体でのCO2排出量(スコープ3)の削減目標設定に向け、2022年度から、海外グループ会社のCO2排出量の実態調査や、より精度の高い排出量の算出・可視化システムの構築等に取り組んでいます。2023年度は、海外におけるCO₂排出量可視化システムの選定および導入準備に取り組みました。
環境コンプライアンス
海外拠点における遵法確保
海外拠点における「輸送および倉庫事業」に関係する重要な環境法令について特定し、各拠点で適切な運用管理の遂行が保てるよう、2017年度から29の国と地域の環境法令の概要について調査を進めています。2021年度は、ドイツ、フランスの調査を終え、これまでに20の国と地域についての調査が完了しました。
環境関連法令の違反
2023年度の当社における環境法規則の違反件数は0件でした。
自然との共生と環境コミュニケーションの推進
当社グループでは、自然保護を意識した資源循環の取り組みや、社内への環境情報の発信や拠点毎の環境活動などの環境コミュニケーションを推進するとともに、社外への環境情報開示の強化を図っています。
環境コミュニケーションの推進
環境コミュニケーション活動として、VC活動(改善活動)に環境負荷低減の視点を組み入れた従業員対話型の活動「グリーンアクションワークショップ」を2021年度から国内で展開し、革新的な取り組みを表彰する「VCアワード環境賞」も開催しています。2022年度は、脱炭素等についてのアイデアや想いを経営層と従業員が語り合う「デジタル対話セッション」を開催したほか、環境行動計画のビジュアル化に向けたワークショップを行いました。
社内報への啓発記事の掲載
環境に関する全般的な知識やグループ内の取り組み事例・トピックスなどを、従業員向けニュースレターに掲載し、従業員の環境意識の向上を図り、環境に関する取り組みへの積極的な参加の促進に努めています。2023年度は、倉庫の更なる省エネ化のポイントやCO2排出量の大幅な削減が可能なモーダルシフトの実例などを分かりやすく掲載しました。
清掃活動・ライトダウン・環境月間の設定
環境コミュニケーション活動として、事業所周辺の清掃活動やライトダウンなどを展開しています。
環境に関する社員の理解促進のため、国連が定める6月5日の世界環境デーに合わせて、2015年度からこの日を含む6月を「グループ環境月間」と定め、「地域貢献」を共通テーマとした環境美化活動や社会貢献活動を推進しています。

事業所周辺の清掃活動

事業周辺の植栽整備(実施前)

事業周辺の植栽整備(実施後)

古着の回収・寄付

エコキャップ運動

グリーンカーテン設置
海外での環境活動

グループ会社のManila International Freight Forwarders, Inc.では、2023年2月と7月に従業員33名がボランティアとして植樹活動に参加しました。マニラ首都圏の熱帯雨林であり、水源のひとつでもあるフィリピン・ケソン市のラ・メサ流域保護区を守るための取り組みになります。単に木を植え、育てるだけでなく、地域社会との絆を深め、地球に対する責任感を促す取り組みとして今後も積極的な活動を継続していきます。
社外からの表彰
環境への取り組みページ「注目トピックス」からご覧いただけます。
資源循環の促進・森林資源保護
廃棄物の再資源化率の維持・向上
事業活動で発生する廃棄物が可能な限り再資源化されるよう、廃棄物の排出抑制施策の実施や、埋立処分量の削減に向けた取り組みをグループ全体で積極的に推進し、再資源化率の維持・向上に努めています。
対象範囲:当社、国内グループ会社
再資源化率(2023年度) | 目標 | 実績 |
---|---|---|
99% | 99% |
グリーン購入の推進
事務用品の購入については、再生材を使用した文房具や再生紙などのエコ商品を対象とするグリーン購入に努めています。
対象範囲:当社、国内グループ会社
グリーン購入率※(2023年度) | 目標 | 実績 |
---|---|---|
85% | 78.6% |
※グリーン購入率:e-sourcing MALL(電子購買システム)にて購入した事務用品の内、エコ製品の比率。
水使用量の削減
洗車や粉じん対策などで使用する水も限りある資源であり、水の効率的な利用による使用量削減に努めています。
対象範囲:当社、国内グループ会社
水使用量床面積当たり原単位の低減(2023年度) | 目標 | 実績 |
---|---|---|
対前年 ▲1% | 対前年 ±0% |
コピー用紙の削減
森林資源の保護に向け、会議資料のペーパーレス化などを推進しコピー用紙使用量の削減に努めています。
対象範囲:当社、国内グループ会社
コピー用紙削減率(2023年度) | 目標 | 実績 |
---|---|---|
対前年 ▲1% | 対前年 +4.4% |
対象範囲:当社、国内グループ会社

コピー用紙の総使用量(千枚) A4換算 |
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|
114,640 | 113,866 | 118,826 |
環境情報の公開
当社では、2020年にCDP※1質問書へ初めて参加(回答)し、気候変動への取り組みや情報開示がリーダーシップレベルであるA-(Aマイナス)の高評価を2020年度から2023年度の4年連続で獲得しました。気候変動関連の課題について、取締役会レベルを含む管理体制の強化、気候関連のリスクと機会の短期・中期・長期の視点での特定を行い、財務影響の試算と重要度に応じた対応策を検討し実行していることや、気候関連のリスクと機会を事業戦略上の重要事項として考慮していることなどと併せ、環境中長期目標の設定、緩和に向けた行動、施策実施における透明性の点で高く評価されたものと考えます。また、科学的根拠に基づいたCO2排出削減目標の宣言(SBT※2の設定)についても実施に向けて準備を進めているほか、環境への取り組みを効果的に推進するため、「環境会計※3」に取り組んでいます。
生物多様性・自然環境関連のリスクと機会についても重要事項と考慮しており、今後は特に自然環境に大きく依存・影響している項目について検討を深め事業活動を進めていきます。
- ※1CDP:気候変動や水に関する企業の取り組みに対してグローバルに評価を行っている、国際的な非営利団体。
- ※2SBT:Science Based Targetの略で、2℃目標に整合した意欲的な目標を設定する企業を認定する国際イニシアチブのこと。
- ※3環境会計:企業等が事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的(貨幣単位または物量単位)に測定し伝達する仕組み。
環境省 グリーン・バリュープラットフォーム事業への参画
ESG経営への取り組みの一環として、2019年度から環境省・経済産業省主催グリーン・バリューチェーンプラットフォームの脱炭素経営促進ネットワーク会員企業となり、定期的に開催される勉強会に参加しています。
環境データ
環境保全に関する投資とコスト(2023年度)
(単位:百万円)
分類 | 投資 | コスト |
---|---|---|
1. 事業所エリア内コスト | 566.2 | 3,225.0 |
2. 上・下流コスト | 0 | 0 |
3. 管理活動コスト | 0 | 510.1 |
4. 研究開発コスト | 0 | 0 |
5. 社会的取り組みコスト | 0 | 6.1 |
6. その他コスト | 0 | 0 |
合計 | 566.2 | 3,741.2 |
集計方法
- 対象期間は、2023年4月1日から2024年3月31日まで
- 対象範囲は、当社および国内グループ会社
- 環境省「環境会計ガイドライン2005年版」を参照
エネルギー使用量の推移(原油換算)
単位:キロリットル/( )内:構成比率
対象範囲:当社、国内グループ会社

電気 | 軽油 | ガソリン | その他 | 合計※ | |
---|---|---|---|---|---|
2023年度 | 33,206(67.9) | 13,482(27.6) | 665(1.4) | 1,583(3.1) | 48,937(100) |
2022年度 | 39,393(72.5) | 12,662(23.3) | 717(1.3) | 1,590(2.9) | 54,362(100) |
2021年度 | 42,330(73.9) | 12,755(22.3) | 791(1.4) | 1,379(2.4) | 57,255(100) |
2020年度 | 44,461(74.0) | 13,405(22.3) | 866(1.4) | 1,320(2.3) | 60,052(100) |
2019年度 | 45,870(73.8) | 13,567(21.8) | 1,150(1.8) | 1,587(2.6) | 62,174(100) |
※小数点以下を四捨五入のため、合計と内訳の計が一致しない場合があります。
CO2排出量と売上高原単位の推移

注)グラフのCO2排出量はスコープ1および2の合計
対象範囲:当社、国内グループ会社

2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|
スコープ1(t-CO2) | 42,207 | 40,669 | 40,519 | 40,641 | 41,267 |
スコープ2(t-CO2) | 77,546 | 72,326 | 70,097 | 63,316 | 55,823 |
スコープ1⁺2(t-CO2) | 119,753 | 112,995 | 110,616 | 103,957 | 97,091 |
売上高原単位(t-CO2/億円) | 26.5 | 25.9 | 25.7 | 23.7 | 21.9 |
※小数点以下を四捨五入のため、合計と内訳の計が一致しない場合があります。
スコープ1の総排出量(2023年度)
対象範囲:当社、国内グループ会社
使用した地球温暖化係数:IPCC第5次評価報告書(AR5-100年値)
温室効果ガス | スコープ1排出量(CO2換算) |
---|---|
CO2(トン) | 41,267 |
CH4(トン) | 0 |
N2O(トン) | 0 |
HFC(トン) | 0 |
PFC(トン) | 0 |
SF6(トン) | 0 |
NF3(トン) | 0 |
サプライチェーン排出量(2023年度)

スコープ3のCO2排出量の内訳(カテゴリ別CO2排出量比率)
カテゴリ | 活動量 | 比率 |
---|---|---|
1 |
|
59.3% |
2 |
|
13.8% |
3 |
|
3.1% |
4 |
|
0.0% |
5 |
|
1.3% |
6 |
|
1.2% |
7 |
|
8.6% |
8 |
|
- |
9 |
|
- |
10 |
|
- |
11 |
|
9.0% |
12 |
|
3.2% |
13 |
|
0.4% |
14 |
|
- |
15 |
|
- |
サプライチェーン全体のCO2排出量(スコープ3)の推移(t-CO2)

2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 |
---|---|---|---|---|
527,187 | 496,788 | 513,312 | 590,518 | 512,363 |
※上記は、国内排出量の連結ベースでの集計値です。
有害廃棄物の発生量
対象範囲:当社、国内グループ会社
有害廃棄物 | 排出量 | ||
---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
PCB(トン) | 0.0 | 0.0 | 0.2 |
法令対応(埼玉県地球温暖化対策計画・実施状況報告)
環境データ一覧
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