ダイバーシティの推進

当社グループは「性別」「人種」「宗教」「年齢」「障がい」「性的・宗教的・政治的指向」「国籍」「社会的・文化的背景」など価値観やバックグラウンドが異なる人財が、それぞれの持てる力を十分に発揮できる組織をめざしています。将来の予測が困難な社会、そこにおける付加価値創造について、多様な人財が一層活躍し、社会への貢献を通じた会社の成長を実現すべく、ダイバーシティ&インクルージョン経営を推進していきます。
トップメッセージ
当社グループでは、2012年にダイバーシティ推進センターを設立し、これまで10年以上にわたって、女性・シニア世代の活躍を中心としたダイバーシティ&インクルージョンの定着、促進を推進してきました。
いま、国内労働人口の減少は深刻な経営課題です。とりわけ物流の「2024年問題」に代表されている物流業界での人財不足は顕著であり、これまで以上に多様な人財の活躍は、当社が物流活動を通じて社会に貢献する上で不可欠な要素です。また、新型コロナウイルスの流行を経て、テレワーク等の働き方がグループのダイバーシティの進化をさらに促すものとして、その定着、浸透を実現してきました。
このような中、近年では育児・介護休業法、女性活躍推進法、高齢者雇用安定法の改正、働き方改革関連法の施行等、企業の果たすべき社会的責任は益々高まってきています。当社グループは、ジェンダー平等を中心とした取り組みにとどまらず、「人種」「宗教」「性的指向」等、多様な人財が活躍できる組織をめざし、ダイバーシティに根差した社会構築に貢献していきます。
不確実性が益々高まるVUCA(ブーカ)の時代、さまざまな価値観やバックグラウンドを持つ人財が紡ぎ出す組織の多様性、柔軟性は代え難いバリューです。当社グループがグローバルでさらなる成長を加速するためのドライバーとして、これからの5年、10年を見据えた新しいダイバーシティ&インクルージョンの領域に私は挑みます。
ダイバーシティへの理解促進
「一人ひとりの違いを尊重し、多様な人財が能力を発揮できる職場づくり」をめざして、従業員のダイバーシティの理解促進につながるエッセンスを階層別研修などに盛り込み、グループ全体の啓発活動に取り組んでいます。
ダイバーシティ講演会の開催

当社では、ダイバーシティについての深い理解や組織的取組みの促進、従業員の意識改革を目的に、2014年度より、経営幹部や管理職等に向けた外部講師による講演会を実施しています。
2020年度からは、オンサイト・オンライン両方での開催とし、参加対象を国内グループ従業員に広げています。2023年度は、外部から専門家を招き、「アンコンシャスバイアスを知る、気づく、対処する」と題した講演会を開催し、約750名が聴講しました。
ダイバーシティ&インクルージョン教育
ダイバーシティ&インクルージョンの重要性への理解促進を図るため、国内の全従業員を対象とした「ダイバーシティ(基礎編)」と、管理職以上を対象とした「ダイバーシティ・マネジメント(管理職編)」のeラーニングを実施しています。各教育をeラーニングとして展開することで、既修者による反復学習と、新卒採用者・経験者採用入社者向けのオンボーディング教育としての機会提供を可能にしています。
ダイバーシティ&インクルージョン教育の受講状況(2023年度)
対象範囲:当社、国内グループ会社
受講者数 | |
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ダイバーシティ(基礎編) | 1,300名 |
ダイバーシティ・マネジメント(管理職編) | 525名 |
LGBTQ+への取り組み

当社グループでは、セクシュアリティに関わるハラスメント防止と多様な人財の活躍を推進するにあたり、LGBTQ+への理解促進に取り組んでいます。国内グループ会社の人事担当者向けセミナーを実施しているほか、2022年10月にLGBTQ+社外相談窓口を設置しました。社外相談窓口の対象者は、ロジスティードおよび国内グループ会社のパートナー社員を含むすべての従業員が利用でき、本人の許可を得ない限りは個人が特定できないように対応しています。
女性の活躍推進
女性活躍推進数値目標(KPI)の設定
当社では女性の活躍をグローバルカンパニーの必須課題と位置付けています。2013年度には、管理職に占める女性の割合に関する数値目標(KPI)の設定を開始しました。また、2022年度に執行役員に占める女性の割合に関する数値目標を設定し、各目標の達成に向けたさまざまな施策に計画的に取り組んでいます。
対象範囲:当社

KPI | 実績 | 目標 |
---|---|---|
管理職に占める女性の割合 | 2023年度 7.3% | 2025年度 10% |
執行役員に占める女性の割合 | 2024年3月31日時点 5% | 2024年度 10% |
女性管理職比率の推移

計画的な係長職・管理職への任用
女性活躍推進に向け、若手のうちから積極的に女性従業員に責任ある仕事を任せ、知識と経験を付与すると共にモチベーションの向上を図り、計画的な係長職・管理職への任用を進めています。
女性係長職比率の推移

女性社員向け意識醸成研修(リーダーシップ研修/キャリア開発研修)
女性社員の管理職登用の促進に向け、2021年度から女性係長職を対象とした「リーダーシップ研修」および「キャリア開発研修」を実施しており、2022年度からは管理職になることへの不安の解消と覚悟の醸成を目的に、先輩女性管理職を含めたパネルディスカッションを実施し「先輩社員から学ぶ」取り組みを行っています。
これらの研修は、中長期的なキャリアデザインの必要性を理解するだけでなく、仕事とプライベートやライフイベントとの両立といった女性社員が普段感じている漠然とした将来への不安の払拭と自ら描いたキャリアを実現するための手掛かりを得る機会にもなっています。
女性社員向け意識醸成研修受講者数
対象範囲:※1 当社、※2 当社、国内グループ会社

2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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リーダーシップ研修※1 | 20名 | 16名 | 8名 |
キャリア開発研修※2 | 46名 | 37名 | 33名 |
当社グループの女性採用数(新卒)
新卒採用に占める女性の数を増やし、女性の人財確保に努めています。
新卒採用における女性採用比率の推移

対象範囲:当社、国内グループ会社
参考:当社単体の2024年度実績
新卒採用者における女性採用比率 | 20.0% |
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仕事と育児・介護との両立支援
従業員が持続的に成長するには、ライフイベントに直面しても家庭生活と両立しながら働くことのできる環境の整備が不可欠であると考えています。従業員が育児や介護などをしながらも安心して働き続けられるよう、法定基準を超える両立支援制度を設けるとともに、従業員への積極的な情報提供により制度の認知向上を図るなど、多様な働き方ができる環境整備、職場風土の醸成に努めています。
男性の育児休業取得の促進

育児との両立支援制度全般の周知や男性の育児休業取得の職場理解を高めるとともに、時間外・休日労働の削減、年次有給休暇取得の促進等を含めた働き方改革を推進しています。2022年度は、「育児・介護休業法」の改正ポイントと、男性従業員の育休取得が職場づくりやチーム戦略におよぼす影響にフォーカスした男性育休取得推進セミナーを開催しました。2023年度は、職場全体での「男性の育児休業取得」に関する相互理解と育児休業を取得しやすい風土の醸成を目的としたeラーニングを実施しました。当社では、数値目標(KPI)「2023年度までに男性育児休業取得率20%」を設定してましたが、2022年度に52.5%と早期に目標達成することができ、2023年度は59.0%と更なる促進を図ることができました。
育児休業取得者の状況(2023年度)
対象範囲:当社

取得者数 | 取得率 | |
---|---|---|
男性社員の育児休業 | 23名 | 59.0% |
配偶者出産休業※ | 11名 | 28.2% |
※2023年度中に配偶者が出産した社員数:39名
eラーニング受講率(2023年度)
対象範囲:当社、国内グループ会社

研修名 | 対象者数 | 受講者数 | 受講率 |
---|---|---|---|
職場で取り組む! 男性の育児休業 |
約10,500名 | 約9,100名 | 86% |
参考:育児休業取得者数の推移(当社)

2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
---|---|---|---|---|---|
育児休業取得者数(名) | 19 | 15 | 27 | 30 | 36 |
ハンドブック等による啓発活動
仕事と育児の両立
仕事と育児の両立支援の一助として、対象となる育児休業者向けに「キャリアと育児の両立支援ハンドブック」、管理職向けに「キャリアと育児の両立支援マニュアル」、男性従業員向けに「仕事と育児の両立支援ハンドブック」を作成し、社内イントラサイトで公開しています。また、育児休業により社内イントラサイトにアクセスできない場合でも、個人のスマートフォン等からQRコードにより閲覧可能とすることで、制度を利用しやすい環境づくりと職場への復帰をサポートしています。



仕事と介護の両立


介護についても、これからますます増えてくる仕事との両立機会に向けて「仕事と介護の両立支援ハンドブック」を作成し、社内イントラサイトやQRコードでの周知を通じ、仕事をしながら介護に携わる従業員へのサポートの充実化に努めています。
2022年度からは、国内グループ会社従業員向けに、介護に関する情報コンテンツの社内イントラサイトでの定期配信を開始しました。時間、場所を問わず都合に合わせて短時間で読めるような量・内容とし、毎月約800名が閲覧しています。介護に関する情報を継続的に発信することは、関心のある従業員への情報提供はもちろんのこと、まだ関心のない従業員が介護の基礎知識を得るきっかけづくりにもなっています。
外国籍人財の活躍推進
当社では、グローバル人財育成のための基盤づくりとしてさまざまな取り組みを行っています。現在、中国、韓国、タイ、ロシア、ケニア等、さまざまな国籍の従業員が活躍しています。
外国籍社員の継続採用
人財の多様化を促進するため、外国籍人財の採用を継続的に進めています。
対象範囲:当社

障がい者雇用の促進
当社グループでは、障がいがある従業員が、生き生きと活躍できる職場づくりを目標とし、さまざまな取り組みを行っています。支援学校等からの作業実習の受け入れや、大学の支援室との連携など、障がい者の雇用促進にグループ全体で取り組んでいます。また、障がいの特性を考慮した就労支援機器の設置やオフィスのバリアフリー化など、就労環境の整備を行っています。今後も、雇用促進に加え働きやすい職場環境づくりに努めていきます。
対象範囲:当社、国内グループ会社

※参考の法定雇用率と民間企業平均雇用率は、各年6月1日時点
高齢者雇用の促進
当社では、定年60歳以降の再雇用について、希望者全員を再雇用しています。ライフプラン研修や定年前面談の実施により、これまで培ったキャリアを活かすことができる高齢者の活躍を支援し、能力を発揮できる職場環境づくりを推進しています。
対象範囲:当社

2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | |
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高齢者の再雇用率 | 100% | 100% | 100% | 100% | 100% |
社外からの評価
さまざまな取り組みと成果が評価され、2018年10月には厚生労働省より、女性活躍推進に関する取り組み状況等が優れた企業として、「えるぼし(2段階目)」の認定を受けています。


ダイバーシティデータ
ダイバーシティに関するデータを下記にて一覧でまとめています。