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ロジスティード

統合報告書2022 オンライン版

To Our Stakeholders ─ 社長メッセージ ─

行動は成功への第一歩

国内外での現場経験を活かし、率先垂範して行動することで「LOGISTEED」のさらなる進展と「LOGISTEED2024」を成功へと導きます。

2022年9月 代表執行役社長(COO)
髙木 宏明

積み上げてきた現場経験

「モノづくり」の物流の真髄を茨城地区の24年間で学ぶ

2022年4月1日より代表執行役社長(COO)に就任しました髙木宏明でございます。足元では事業環境の激しい変化が続いておりますが、今後も変化に迅速・柔軟に対応しながら「LOGISTEED2024/2030」の達成に向けて全力を尽くしてまいります。この場をお借りして、全てのステークホルダーの皆様にご挨拶申し上げます。
当社グループにおける私のキャリアは今年で38年目になりますが、前半24年間に茨城地区で物流現場のさまざまな仕事に挑戦したことが、現在の私のベースになっていると考えています。具体的には、まず工場物流・包装設計に従事したことで、「モノづくり」の物流の真髄を学ぶことができました。私が物流業務に従事していた半導体製造装置や電子顕微鏡、医療機器といった大型精密機器は、輸送前に一旦解体するなど上流工程における作業が必要であるほか、輸送中の厳密な衝撃管理や温度・気圧管理、特殊な搬出入や据付作業といった機工作業も必要となります。私はこれらに懸命に対応する中でVASや包装設計のノウハウを体得しました。加えて、VMI※1においては部品の在庫管理だけでなく調達作業も取り込むことで取引拡大を図り、それをさらに発展させる形で、中国の企業と部品販売の取引を始めました。加えて、担当するお客様の工場が中国に分工場を立ち上げた際には私も現地に頻繁に出張しながら支援するなど、中国関連事業に深く関わったことがのちの中国赴任につながります。

※1 VMI: Vendor Managed Inventoryの略

国際感覚を中国で身につける

「未開拓市場」に惹かれ中国赴任を自ら希望

茨城時代以降は本社や南関東地区で主に3PL事業に携わり、営業の責任者として情報通信業や流通業などのさまざまなお客様とお付き合いしました。茨城地区と首都圏地区でのキャリアを通じ、重量機工事業を除く当社グループの全ての事業領域の現場を経験できたことになります。
2015年からは国内陸運グループ会社の社長として3PL市場における当社シェアの拡大に注力する一方、かつて頻繁に通っていた中国が「世界の工場」から「内需拡大」へとシフトする様子を目の当たりにし、中国内陸部という「未開拓市場」を自ら切り拓きたいという思いに駆られるようになりました。そこで当時の中谷社長に直訴し、2016年より代表として中国に赴任しましたが、買収した現地グループ会社の業績悪化や不良債権の顕在化等から、赴任早々に事業を整理・縮小せざるを得ませんでした。
そうした中、当社関連拠点が全く存在しない内陸部を一から開拓するのは非常に困難でしたが、茨城時代に学んだ「ビジネスは人と人のコミュニケーションが基本である」という原則を中国でも粘り強く実践することで少しずつ打開し、最終的には西安・重慶・成都・合肥など多くの内陸市場を開拓できたほか、生産性向上を目的とした自動化・省人化設備の導入も進めることができました。また、現地では国籍を超えた人と人のコミュニケーションが事業の成否を左右することを身をもって経験してまいりました。実体験を通じて培ったこの「国際感覚」を、海外事業の拡大に大きく舵を切った「LOGISTEED2024/2030」の執行に活かしていく所存です。

行動は成功への第一歩

「HB Way」を企業文化として継承していく

このように国内外で現場経験を積み上げる中、私は、当社グループは「現場第一主義」を貫いてきたからこそ持続的成長を実現できているのだと日々実感するようになりました。また、2016年に「HB Way」を策定したことで、「現場第一主義」の概念はさらに明確になったと考えています。具体的には、「現場第一主義」の内容を「HB Way」が明確に定義し、それを「成功要件」として従業員にわかりやすく伝えることで、「経営理念」「経営ビジョン」「行動指針」が現場にスムーズに浸透し、経営と現場の連携がさらに深まりました。当社グループは今後も「HB Way」を最も重要な企業文化として継承していくことで、持続的な価値創造を実現していきます。

経営哲学「行動は成功への第一歩」

また、当社グループが今後も「HB Way」の成功要件である「3つの追求」「3つのこだわり」「3つの信条」を貫き、常にベストな物流サービスを提供し続けていくことでお客様からさらなる信頼をいただき、当社の持続的成長を実現できると考えています。そして、お客様と苦楽を共にすることで運命共同体を築き、共同体であるからこそお客様に感動いただき、この感動がさらなる信頼と当社の事業成長につながるのだと考えています。
この認識のもとで私なりに「成功要件」を再解釈するならば、成功要件の1つ目は「常にお客様に感動を与え続けられる会社/人であること」であり、2つ目は「知恵を出し続ける会社/人であること」、3つ目は「相手のスピードより速く行動できる会社/人であること」であり、4つ目は「事故を起こさない会社/人であること」です。
そして、これら成功要件の全てを支える価値創造の源泉が、「行動」であると私は考えています。なぜなら、「行動」があるからこそ成功への第一歩を踏み出せるのであり、感動を与えようとしても「行動」しないことには不可能です。また、知恵を持っていても「行動」してそれを使わないことには意味を成しませんし、スピードも「行動」しないことには発揮できないほか、事故を防ぐためにもさまざまな「行動」が必要です。ビジネスにおける全ての価値創造は「行動」こそが原点であり、「行動」なくして成功はありえません。これが、私が経営哲学として「行動は成功への第一歩」であると信じている理由です。

「行動」こそが新たな価値創造につながる

この経営哲学は、茨城時代に私が師と仰いでいた方と多くの行動を共にすることで身につけたものです。私は前述の通り、調達物流や中国企業との部品販売の取引など、当時の当社グループには無かった新たなビジネスの多くを茨城地区で立上げましたが、それらは全て、その方が「今までと同じだったら何も変わらない。行動しよう。」と指南して下さったことによるものです。大いに触発された私は、例えば前述の中国企業との取引においては、当時の社内ルールでは実現不可能であったためお客様に掛け合ったうえで当社のトップマネジメントを説得し、部品販売を認めていただいたことで新たな価値創造を実現できました。
当社グループはこのたびKKRとのパートナーシップによる新たな価値創造ステージに移行しますが、私は今後も、「行動は成功への第一歩」をモットーとして率先垂範することで、両社のパートナーシップを成功へとつないでいく所存です。

「LOGISTEED2024」重点施策のポイント

「海外事業の強化・拡大」にあたっては、4極それぞれの拠点を拡充

「LOGISTEED2024」の最重点施策である「海外事業の強化・拡大」にあたっては、2030年度におけるめす姿「グローバル3PLリーディングカンパニー」を見据え、まずは海外4極(アジア、中国、北米、欧州)それぞれにおける事業拠点を拡充していきます。特にサプライチェーンの中心が中国からアジアにシフトしていることを踏まえ、アジアでのリソースの拡充に注力します。加えて、4極以外の大きな潜在市場であるアフリカや中東でも経済成長が本格化しつつあるため、今後はこれらも重点地域として加えていきたいと思います。

「新たな付加価値による事業領域の拡張」においては、VASによる価値創造領域をさらに拡大

前述の通り私自身も若手時代から注力してきたVASについては、工業製品だけでなく食品やアパレルなどあらゆる「モノづくり」でビジネスチャンスが広がっているため、これを積極的に取り込む考えです。また、製造・調達だけでなく、出荷・販売・サービスなど顧客バリューチェーンの全領域でサービスを提供することで、新たな顧客層も獲得していきます。

「スマートロジスティクスの進化」に向けたDXにおいては、WMS/RCS/ERPの三位一体のプラットフォームを構築

「スマートロジスティクスの進化」においては、DXをさらに強化していきます。具体的には、輸送におけるDXはSSCVによって大きく進捗しており、現在開発中のドライバーの労務管理機能が完成すれば、より多くのお客様に価値を提供できる見込みです。一方、倉庫事業の強靭化に向けたDXにおいては、MSとRCS※2およびお客様のERP※3をしっかりとつなぐことで最適な物流サービスを提供すべく、そのためのプラットフォームの構築に注力します。

※2 RCS:Resource Control System
※3 ERP: Enterprise Resource Planningの略。企業内の「生産」「購買」「在庫」「販売」「会計」といった基幹業務を一元的に管理することで高度化を図るシステム

「ESG経営の基盤強化」においては、脱炭素化への取り組みを海外でも強化

「企業価値」の定義が業績や財務指標だけでなく、社会貢献や非財務指標も含む形へと大きく変容する中、ESGは、企業の発展や持続的成長に欠かすことができない重要なファクターであることを私も強く認識しています。特に脱炭素化への取り組みにおいては、環境中長期目標である2030年度のCO2排出量50%削減/2050年度のカーボンネットゼロに向けて、EV・FCVへの転換や物流センターへの太陽光発電設備の増設等を着実に進める一方、今後は海外での取り組みも強化していく考えです。

3つの「強み」を今後も磨き続ける

以上の4つの重点施策の推進に不可欠な当社グループの3つの強みについては、今後も磨き続けることで「LOGISTEED2024」の着実な達成につなげていきます。
具体的には、創業以来72年間磨き続け、当社グループの最大の強みである「オペレーション遂行力」については、今後もお客様ニーズや環境変化、幅広い取扱品目に柔軟に対応し続けるとともに、高い品質とコスト競争力を維持・強化していくほか、現場管理者、グローバル人財、DX人財も育成・強化していきます。
もう1つの強みである「先進的なロジスティクスエンジニアリング力」については、前述の通り輸送業務と倉庫業務のDXを加速することでお客様のサプライチェーンの高度化と最適化を図るほか、デジタル人財の育成や協創パートナーとの連携も強化していきます。
3つ目の強みである「グローバルネットワーク」については、中谷会長のメッセージに記載の通り「地域完結型モデル」に軸足を置きつつ、重点施策「海外事業の強化・拡大」でご説明した取り組みを通じ、より多くの国での拠点開設を進めていきます。

ステークホルダーの皆様へ

多くの施策をスピーディーに同時進行していきます

当社グループは、まずは「LOGISTEED2024」を着実に遂行することで「アジア圏3PLリーディングカンパニー」の実現をめざし、そのうえでLOGISTEED2030」によって「グローバル3PLリーディングカンパニー」をめざしていきますが、「LOGISTEED2024」においては、アジアだけでなく欧米での強化・拡大策も積極的に進めるなど2030年度を見据えた取り組みも既にスタートしています。今後も多くの施策を中谷会長と私がスピーディーに同時進行していくことで、当社グループのさらなる事業成長と企業価値向上につなげてまいります。
ステークホルダーの皆様には、引き続き変わらぬご支援・ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

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