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ロジスティード

INTERVIEW 05
INTERVIEW 05

物流のデジタル化を
加速する第一歩、
倉庫内データの"見える化"に挑戦。

太田 元無 MOTOMU OOTA

PROFILE

IT戦略本部 デジタルビジネス推進部/2021年中途入社
法律学部 法律学科 卒業

2016年 物流系企業 入社
2017年 IT系企業 入社
2021年 IT戦略本部 デジタルビジネス推進部 所属 
倉庫内データの可視化・分析を担当
  ※所属については、掲載当時の内容となっております。

データの可視化と分析で
お客さまに付加価値を届けていく

経験者採用で当社に入社して1年目。現在所属するデジタルビジネス推進部は、グループ全体のデジタルトランスフォーメーション化を推進する部署です。中でも部として注力しているのが、データを活用した業務の高度化とビジネスの構築。データを利活用するためのプラットフォームづくりやBIツールを用いた社内業務の効率化など、お客さまに付加価値を提供できるよう事業化に向けて取り組んでいます。

私の担当は、倉庫内のデータを分析・可視化することです。物流会社が所有する数多くの倉庫は、サプライチェーンの構成要素として重要な役割を担います。入荷データ/出荷データ、在庫データ、各種作業指示データなど、あらゆるデータを利用して運営されていますが、それらデータの利活用にはエクセルやアクセスといった一般的なツールを使用しており、多くの手作業を介して行われているのが現状です。こうしたアナログ式のデータ活用では、集計や分析に時間がかかり「今」の状況把握ができないだけでなく、高度な分析ができない、仮に分析ができたときにはすでに古い情報になっており、改善アクションには使えないなど、多くの課題を抱えています。それらをデジタル化・自動化し、さらに部内で実施した分析結果を踏まえて分かり易く可視化された状態に落とし込んでいくことが、私たちの仕事。現在は、各拠点の情報を統合管理できる共通のデータ基盤を構築し、導入を進めているところです。

例えば、構築中の新システムでは、取り扱い品ごとに出荷傾向を分析し「保管場所を見直すべき品はどれか」「その品はどこに格納すべきか」などを色分けされたレイアウト図で示し、倉庫内の改善すべき点をひと目で把握できます。それをもとに拠点の管理者が改善アクションを実施することで、倉庫運用が最適化されていくのです。また、在庫が溢れているという課題があれば、「最近全く出荷されていない品はどれか」を可視化することで、「お客さまに引取りを依頼する」、「倉庫内の邪魔にならない場所に移動し棚を有効活用できるようにする」といったことも可能になりますし、「1つの品が複数の場所に分散された状態で保管されている」ということを可視化すれば、「1つの棚に集約することで保管効率を上げる」といった効率化にもつながります。結果として、倉庫のキャパシティを底上げすることができるのです。

私たちが最終的にめざすのは、データ活用によって生まれた付加価値を、荷主であるお客さまのもとへ届けることです。例えば、倉庫内で長期間出荷されていない商品や過剰に抱えすぎている在庫をデータで明らかにすれば、お客さまに在庫の最適化などを提案することができます。そもそも倉庫運用が効率化されなければ、結果としてお客さま側の無駄なコストにつながるため、常に最適化を模索することは物流会社のミッション。新たな課題の発見と最適な提案ができたときには、喜びを感じます。

仕事風景1

充実した研修プログラムを活用し
ゼロからでも技術を身につけられる

このようにデータから価値を生み出すためには、データを分析しその結果を正しく解釈することが必要です。そこには専門的な知識が必要になります。つまり現在の仕事には、システムを構築するITの知識と、その結果を分析するデータアナリストとしての知識の両方が必要になるのですが、私は法律学部の出身。どちらも知識ゼロの状態から、社会人としてのキャリアをスタートさせました。

大学卒業後は、新卒で入社した倉庫会社に1年間勤務。その後IT企業に転職し、4年ほど業務システムのエンジニアとして働きました。このときに習得したITスキルをもっと生かし、新しいビジネスを創る仕事をしたいと、当社に転職。データ分析に注力する物流・倉庫会社が少ない中、積極的にデジタル化を進める柔軟な対応力が、当社を選んだ理由でした。

データ分析で必要となる知識は、入社してから勉強しはじめました。データサイエンス、統計学といったアカデミックな領域の論文を探りながら、標準偏差や中央値といった基礎から、ABC分析、EIQ分析など専門性の高い知識まで、少しずつ学んでいます。知識ゼロからのスタートで大変でしたが、チームの先輩から多くのことを学ぶことができ、早い段階から実務に参加することができました。また、当社は、統計やITの知識を基礎から学べる研修プログラムが充実しているので積極的に活用しています。あらゆる面で成長機会が多い職場だと実感しています。

さらに、ただ集計や分析をすることではなく、最適な解決方法を導き出すのが、データサイエンティストの仕事です。これからの物流業界では、データサイエンティストとして業界全体の事情や社会の動向を踏まえながら、ITとデータ分析の知識・スキルを活用できる人財が求められていくと思います。常に学び続けなければならない世界ですが、好奇心が強い人は向いているのではないでしょうか。
私も未知の領域に飛び込むのが大好きなので、やりがいを感じています。

仕事風景2

常に新たな方法を模索する
チャレンジングなチームに刺激を受けて

日々の業務は、お客さまや物流センターごとにプロジェクトチームを組んで取り組んでいます。現在は新しいデータ基盤を導入する段階なので、それぞれの現場に足を運んでスタッフにヒアリングをしながら課題を見つけ出し、デジタル化によって解決できる方法を探っているところです。

既存のシステムをアップデートする工程は、制約も多く、最適な方法を見つけるために試行錯誤を繰り返さなければなりません。入社して最初に担当した案件では、過去の膨大なデータを抽出しなければならないなど、たくさんの課題がありました。そこで私は、チームのメンバーが試みていない方法を提案。他のメンバーからアドバイスをもらったり、技術基盤を管理するチームと懸念点を共有したりしながら、新たな方法を見出すことができました。フラットに自分の意見を受け入れてくれる、チームの風土にありがたさを感じています。

当社には、次々と未知の領域にチャレンジする精神があり、働いていて飽きることがありません。特にデジタルビジネス推進部は、設立から4年程度の比較的新しい部署で、ゼロから事業を創り出す楽しみもあります。1チーム5名ほどの少数精鋭なので個人の裁量が大きいことも魅力。また、経験者採用で入社したメンバーも多く、IT・商社・小売・卸売など、あらゆる業界の出身者が集まっていて、各自の専門性が混ざり合い、補完し合うことで、新しいアイデアが生まれていく。そのチームワークに刺激を受けています。

仕事風景3

日本の物流に必要なのは
データの活用方法を考える力

物流業界では人財不足が深刻化しています。倉庫管理がアナログのままでは、働き方が改善されず、ますます人財の獲得が難しくなるでしょう。また、作業者一人ひとりのノウハウが共有されないため、熟練スタッフの技能が継承されなくなっており、さらに今後は、CO2の削減や物流現場の安全性向上が、ますます求められていきます。デジタル化は、これら業界のさまざまな課題を解決するのに必須となることは間違いありません。

当社の強みは、国内の3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)市場でトップクラスであることです。ここで得られるさまざまなデータをどう連携させ、どう活用していくかが、今後のカギになるでしょう。巨大なアメリカのプラットフォーマーが強いのは、膨大なデータを抱えているからです。物流業界が進化するためには、データをどう集約するかだけでなく、どう活用していくかを考えることが重要になると思います。

仕事風景4

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